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角川『短歌』2024年4月号

血紅のツバキ花咲く墓苑にてすれ違いたり無縁の人と 久々湊盈子 死を意識する、墓苑という場所に凶々しいまでに赤く咲く椿。家の外ですれ違う人はぼぼ全て無縁の人のはずだが、このように詠われると「無縁」という語も不吉な印象を持ち始める。

こんなに細い指輪の裏に文字を彫る 婚姻というこの洞窟で 小島なお 結婚指輪に結婚の日付や相手の名前を彫る注文をしている場面だろう。指輪にか細さを感じると同時に、これからする婚姻を洞窟と捉えている。結婚指輪の断面は、洞窟のような形でもある。

③「イベント報告 『キマイラ文語』を読む会」
〈短歌作品を語彙の知見から新たに見つめ直す評論集として話題となっていた。〉
 取り上げていただきありがとうございます。この会で著者自身も分かってなかった多くのことを知ることが出来た。登壇者・参加者各位に感謝。

2024.4.25. Twitterより編集再掲

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