『短歌往来』2024年1月号
①ヨコハマの波止場から船に乗つて異人さんに連れられていつちやつた鯉 小池光 一首前の「一匹が九百万円の錦鯉アメリカ人(びと)に買はれてゆきぬ」、からの歌だ。童謡をそのまま歌にして、面白味と哀感を醸し出す。短歌の韻律は無視、「鯉」が余るように読んだ。
②双六は一本道でありけるを蜘蛛の巣状の人生の道 米川千嘉子 人生は双六のようにすっきりしてない。あの時ああしていたらどうだっただろう、と考える場面が増えるのはしんどい。蜘蛛の巣は選択肢が枝分かれしていること、考えに囚われたら抜けられないことを表す。
2024.1.28. Twitterより編集再掲