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どこまでも続く青に風が通って、夏を知る

5月の半ばから暑い日のある、今年。
梅雨には入らず、日の強い昼と涼やかな夕方。時おりの静かな雨。

涼しげな青に目が行く。

湖面のさざ波。

さんご礁の海の透明な、青。

そんな青を見ると風が、自分の中を通り抜けていく。

20210610大島の青 (2)

単衣の大島。私のお気に入りの、一枚。

単衣とは6月と9月に着る着物。裏地がついていないので涼しい。
(10月から4月まで着るのは、袷(あわせ))

大島は奄美大島でおられている伝統的な紬。
代表的なものは藍染文様入りと泥染め。

こちらは母が持っていた藍の大島。

20210610藍の母の大島

大島は光沢があって、薄く、さらさらしている。
同じ紬でも、結城紬はマットで光を吸い込むが、大島はシャランと光る。

私は結城紬を羽織ると顔色が悪く見えてしまう。
似合う方ははんなりと優しくなる。
どうしても私は大島を選ぶことになる。

私の青い大島は水面の光のように、さまざまな色を見せる。
反物を広げた時に、何色もの日本の伝統色がそこにあった。

孔雀青、天色(あまいろ)、千草色、お納戸色・・・青のグラデーションが連なる。

中でも明るい千草色を顔の近くの襟に仕立てた。

20210610大島肩にかけて (2)

配置を考えて仕立てられるのが、着物の奥の深さ。

美しい青が、私の周りで揺らめいている。
青という空の、水の、海の色が美しくささやいている。


先日この大島を着て着付けの教室へ向かうと、ほかの二人も大島で。

20210610③人全身大島 (2)

真ん中が私。右側の白大島は着物の先生。
左側の泥染めの大島(こちらは袷)は、友人。

表情が違い、個性が出る。

この着物にどんな帯を合わせよう。

少し前なら八橋(燕子花・かきつばた)の帯。花の咲く前がいいので、少し遅くて・・・残念。

20210610八橋帯

花火の帯は9月の方が合いそう。

20210610花火の帯

茶屋辻文様がいいかも。少し金糸の刺繍が入っているけれど、これくらいなら許されそう。みおいちさん(noteの着物の師匠です)、いいでしょうか?

20210610茶屋辻の帯

着たときにしめたのは、紗かな? 草のような織の帯。これも合うけれど、別の帯で違う着こなしも楽しみたい。
ある時はざっくりとカジュアルに、ある時はおしゃれにお出かけ。

独身時代に楽しんでいた着物、出産・育児中はお休みしていた。
一息ついた今、ようやくゆっくりとまとえそう。

着物、単衣、大島。

さまざまな、青。
青に呼ばれて。
青を愛して。

今、私に静謐な悦びをもたらしてくれている。

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さまざまな青は、画家のゆめのさんを思い浮かばせる。
この着物を仕立てたのは、ゆめのさんを知る前なのに、今になって着物をまとってイメージする。

ゆめのさんの絵の青は、どこまでも続く青。深く、高く、限りない。
(今度ゆめのさんを応援するサークルをまつおさんが作られました)

ゆめのさんの青を書いた記事で、まつおさんから銅賞🥉をいただきました。

書いた記事はこちら。

とても価値のある、うれしい賞でした。本当にありがとうございます。


ももりゅうさんの企画に参加させていただきました。

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