「やります」「できます」を手放したら肩が軽くなった
「やります」というのが当たり前だと思っていた。
仕事なんだから。
「大丈夫です」といって、徹夜になることもあった。
隣の席の同僚は担当がひとつなのに、どうして私は3つなんだろう。
どうしてこんな面倒な仕事が、いつも回ってきちゃうんだろう。
そう思ったことも、あった。
疲れて起き上がれない日。
どんより1日を過ごした。
仕事ができるから回ってくるのではなくて、タイミングや、要領の悪さ。
そして性格がいいわけではないのに(むしろ悪いのに)、断れなかったせいだ。
変なプライド。
断るのが、悔しかった。
「できません」というと、「仕事ができない」烙印を押された気がして。
やったからといって、評価が上がるわけでもなかった。
だって上司にはたてついたり、したから。
「おかしいんじゃないですか?」と抗議して、
「ヒエラルキーのない女だなあ」といわれたことがある。
ヒエラルキー?
ありませんけど。
そうしたら異動させられたりして。
ところが「できません」といわざるを得ない状況が、勃発。
妊娠・出産。
保育園のお迎え時間。
追われる育児・家事。
いつ熱を出すかわからない子ども。
やりたい企画にも、積極的に手をあげられない。
穴を開けたらと思うと、こわくて。
情けない。
悔しい。
でも、時間的にできないことが多すぎて。
「できる?」と聞かれて、
ある日
「・・・難しいと思います」と答えた。
つらかったけれど・・・
泣きそうな気持ちだったけれど・・・
心の中では「ムリムリムリ!!」って叫んでいた。
イヤイヤイヤ、できないっ!
もう、できないよ~~!!
って自分で思って。
ふっと楽にもなった。
肩の力が、ふぅっと少し抜けた。
できないものは、できない。
今はそういう時期。
あきらめがついた。
「できる」というプライドを手放したら。
見えてきたことがある。
無理にやらなくてもいい。
そうすると逆に、要領よく逃げる人を責めなくなった。
病気や介護など、事情がある人もいる。
ただ仕事をしたくない人もいる。
こういう人に任せても、うまくいかない。
均等に分配はできない。
とかくするうちにまた、責任がトン、と肩に乗る。
まあまあと、自分も周りもなだめながら、仕事する。
時どき、歯を食いしばることもあったけれど。
「お願い」も上手になった。
周囲への感謝も増えた。
そして少しずつ子どもの手が離れてきても。
もう無理はしない、できない。
できることをしよう。
残業も、徹夜も減った。
仕事も大事だけど、自分と家族の方が大事。
どんな時も仕事よりも自分が大事。
当たり前のことに気づく。
倉田エリさんの企画「手放してよかったこと」に参加しました。
改めて自分の生活や、これまでを振り返りました。
手放したこと、けっこうありますね。
企画は3月11日までです。まだ時間がありますので、よかったら、ぜひ。
倉田エリさん、すてきな企画をありがとうございました。
※イラストはダニエルさんからお借りしました。ありがとうございます。