おいしく楽しく笑顔で食べること
「ちゃんとしたご飯を食べさせなくちゃ」
ずっと肩に力が入っていた。
無添加・無農薬のもの、手づくり、パンよりごはん中心・・・。
一生懸命でもあった。
高齢出産で、命がけの難産の末の、一人っ子。
自然派の親子学級に行ったせいもあるだろう。
母乳でがんばった。
出かけるときは,おにぎりを握って。
かんたんなおかずを作って。
といっても、玉子焼きと野菜か果物くらいだったけれど。
作らなくっちゃ、と。
息子が2歳になったころ。
動物園に出かけた。
その日は忙しくて、おにぎりを作れなかった。
「あ~あ、作れなかったよ」と反省しながら歩いていた。
サルや、ライオンを見たあとのこと。
「お昼にしようか」
「うん♬」
「今日はお弁当じゃないから、買おうね」
売店で、息子はじ~っと商品の写真を眺める。
真剣そのもの。
「これ食べたい」
「あれも」
チキンバスケットのようなセットと、スコーンみたいなパン。
ちいさなサラダ。
テーブルに並べたら、
「うわあ、パーティーみたいだね!」
目も口も大きく開けて、笑っている。
私はちょっと、じくじたるものがあって・・・
つぶやいた。
「本当はおにぎりを持ってきたかったのに・・・」
自分に言い訳をしていたのかもしれない。
やるべきことをしなかった、と。
息子が私をまっすぐに見て、抗議するように、いった。
「たまにはいいじゃん!
おいしそうだよ!」
確かに、そうだった。
テーブルの上はにぎやか。
紙の箱が赤くて、明るい色合い。
気分が、変わった。
いや、気分を変えた。
「うん! そうだね! おいしそう」
「早く食べよう!」
少し味の濃いフライドチキンも、フライドポテトも、おいしかった。
息子はきれいに平らげた。
満足そうな顔で。
思い出した。
私も小学生の時、ケンタッキーのチキンが大好きだった。
お店に行くのは、スペシャル感があった。
いいよね。
こういうのも!
スペシャル感、息子にもあるよね。
ちゃんと作ることも大事だけど、たまにはいつもと違うこと、違う味。
がんばりすぎないこと。
栄養や体にいいことはもちろん、大事。
でも、笑顔や楽しいことも、とっても大事。
体も心も、ゆるめて。
それからかなりゆるんじゃったけど。
楽になって、笑顔が増えて
だからOK!
※イラストはmomoroさんからお借りしました。ありがとうございます。
今週は第5週なので、メルマガはお休みです。
来月からまた送ります。
育児中の方、育児に思いがある方、よろしければどうぞ💖