【育休男子】#2〜不妊治療クリニックという選択〜
半年間の妊活で自然妊娠に至らなかった僕たち夫婦は、不妊治療という選択をしました。
妊娠は奇跡という言葉をよく耳にする一方で、20代のカップルが妊活を始めて半年程度で妊娠する確率は約80%ともいいます。その確率は奇跡と呼ぶには高すぎるような...。
この約80%に入らなかった僕たちには、何か不妊の原因があるのかもしれない。もしそうなんだとしたら、クリニックに通うのは早いに越したことはない。その思いに夫婦での食い違いはありませんでした。
そして不妊治療という経験は、間違いなく僕の人生観をガラッと変えてくれました。
説明会
7月末の猛暑日、近所で評判の良かった不妊治療クリニックの説明会に汗だくになりながら参加しました。
院長先生から2時間みっちりと妊娠のメカニズムと不妊治療についての説明がありました。人工授精、体外受精というワードは聞いたことがありましたが、「フーナーテスト」「SEET法」「胚盤胞移植」「HCG」…などなど専門的な言葉が続々と出てきてうろたえました。流れてくるワードをとにかくiPadにメモし続けました。
確実に言えることは、もし自然妊娠をしていたら僕たちはこの言葉たちに一生出会うことはなかったであろうということ。そして妊娠は奇跡である、ということを再認識するのでした。
初診と検査
説明会から1週間後についに初診の日を迎えました。子ども連れNGというわけではありませんでした、不妊治療専門のクリニックだったので、クリニックで子どもを見る機会はありませんでした。不妊治療はパートナーで進めていくものですが、通院頻度も治療も物理的な負担は極端に女性側に偏ってしまいます。
子どもが好きな妻ですが、SNSをやめるほどに周囲の妊娠報告に敏感になっていたので、せめて治療中の精神的ストレスを少しでも軽減できるようにと思い、僕がこのクリニックでの治療を提案しました。「そんな、大丈夫だよー」と言っていた妻ですが、治療方針や内容も安心できる、口コミがよかったこともあり、このクリニックでの治療を決めました。
初診では「半年間の自己流妊活では妊娠に至らなかったこと」を告げ、妻の内診・検査、僕の検査を行い、2時間ほどで終了しました。血液検査の結果を待つ必要もあったため、翌週に再度受診して、検査結果を聞いたのち治療方針を決めていくことになりました。
クリニックは飲食店がたくさんあるエリアにあったので、受診後に何か美味しいものを食べようと決めていました。しかし、慣れない環境で慣れない検査をしてお互い疲れてしまい、その日はチェーンのお蕎麦屋さんで、ざるそばを食べて帰りました。
異常なし
翌週、検査結果を聞きに再度クリニックに行きました。「何も異常がありませんように」と思いつつも、「何か問題があれば」自己流妊活が身を結ばなかった半年に理由をつけることができるとも思っていました。クリニックへ向かいながら、妻とは笑いながらそんな話をしていました。
異常はありませんでした。「健康」の太鼓判を押された我々夫婦は、文句なしに「約80%」に当てはまらなかったことになりました。「自然妊娠はできなかったんですが…」恐る恐る口を開いた僕に「まあ妊娠は奇跡だから」と院長先生。
そして、その奇跡を起こすべくクリニックでの不妊治療が本格的にスタートするのでした。