見出し画像

詩集『美しいとき』を読みまして

こんなに素樸なことが
どうして これほど
難しいのだろう

若松英輔『美しいとき』 P8

そんな問いかけから始まったのに、ページを捲る手が止められなかった。
するすると言葉が頭の中に入ってくるから、それこそ「乾いた土が水を吸うように」分かる気がしたから、どんどん読み進んでしまった。

どうして止められなかったのでしょうね。

理由を探してみた。

言葉の本性は
意味ばかりでなく
凍える魂を包む 熱であり
魂の闇を照らす光でもある そして
乾いた魂を潤す 渇くことのない
水でもある

若松英輔『美しいとき』 P80

「素樸」という言葉が何度か出てくる。
知らない言葉じゃないけれど、私はあまり使わない言葉。
辞書を引くと「飾り気がなく、ありのままなこと(さま)」と説かれていた。
その感覚を表すのに私なら、「素直」とか「分かりやすい」とか言うだろうなと考えてから、つまるところそれが「ありのまま」なんだろうなと思った。
エルサが歌い出したよ。

そんな『素樸』な言葉たちだから、吸い込まれてきたのかな。


ところで、詩とはなんだろう。
すくなくとも、言葉を利用して作るモノではある。
小説とは違って抽象的で、エッセイと違って作った人の個性が見えにくいような気がしてる。
短文だから、余計なものを削ぎ落とした後に残った言葉たちであることには間違いなさそうだけど、本当に何なのでしょうね。

考えここに至って、詩集ばかり読む意味が見えてきた。

個人的に『詩集を100冊読む』という目標を立てています。この詩集がカウントし始めて8冊目。
「詩とはなにか」の答えを見つけられなければ、100冊読む意味ないよね。頑張ろう。




ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。
【挑戦中】詩集を100冊読む(8/100)


寒波もそろそろ去ってくれるかもしれません。御自愛くださいますよう。

いいなと思ったら応援しよう!

秋保千代子
ご覧いただきありがとうございます。

この記事が参加している募集