[旬杯:短歌] 夏のアニメで短歌
アニメを短歌で紹介するのにはまっています。
短歌って物語をエモく伝えるのに向いてると思うんですよね。
解説なしで読むと「?」ってなってしまうところが難点なのですが懲りずに続けたいと思います。
さて、今回は夏っぽさを感じるアニメで詠みたいと思います。
こじつけもありですが…
※ネタバレは無し
上げ潮に君の声聞き祭の夜
影追う我の振り向く先は
サマータイムレンダ
ある夏の離島で起こるとんでもない出来事を描く物語。
主人公の慎平は、幼馴染の潮の訃報を聞き故郷の瀬戸内海の島へと戻って来る。
近所の子が溺れているのを助けるために海に入って死んでしまったのだという。
彼女の死に不信感を持った慎平は単独で調査に乗り出し、島の恐ろしい歴史を知ることになっていくのだ…。
どこまで言っていいものか迷うんだけど、言ってしまおう。
このお話はタイムリープものだ。
幼馴染の死をきっかけに、主人公の慎平は島の秘密に首を突っ込むことになるんだけど、途中で失敗してかなりえぐい殺され方をする。
んで、戻る。
1回目、2回目と繰り返すうちに、慎平がどんどん学習し進歩して真相に近づいていく感じがとても胸アツ。
死に戻りする際の情報の在り方など、ちょっとSFぽい感じもあってよいのだ。
多少グロい(人体破損系)ので、そういうのが平気な人は、ぜひこの夏サマータイムレンダを体験してほしい!
全編通して方言が使われていて、それもめちゃよい。
霧深くがらんの心で彷徨えど
生きて帰れと君の道しるべ
地獄楽
アニメはまだ途中なんだけども、たぶんこれ、私的2023年の最高になりそうな予感。
舞台は江戸時代末期。
血も涙もない冷酷な最強忍者として名高い “がらんの画眉丸” が死罪人として打ち首執行人の山田浅ェ門 佐切と出会うところから物語が始まる。
画眉丸の言動から生への執着を読み取った佐切は、彼にお上からの特別なお達しがあることを告げる。
それは謎の島にあるという「不老不死の仙薬」を持ち帰った者を無罪放免とする…というものだった。
こうして無罪を勝ち取りたい癖の強い罪人たちと、それに負けずと癖の強い打ち首執行人 山田浅ェ門たちがペアになって、仙薬があるという奇怪な島に渡り生き残るための戦いを始める…。
ってなお話なんだけど。
この仙薬があるという島が実に不気味なんだ。
美しい花が咲き乱れ常夏の南国のような、極楽のような美しい場所に見えるんだけど、そこには得体の知れない生き物や化物がうじゃうじゃいる。
それから東洋の宗教観ごちゃまぜみたいな胡散臭さも満載。
私の詠んだ歌の意味を少し解ってもらうために、もう一歩踏み込んだ話をすると…
冷酷で無感情に見える画眉丸は、実は妻一筋で本当は彼女を連れて村を抜け、忍者もやめたい。
それで結局死罪になってしまったんだけど、彼は生き延びて無罪となり妻の元に帰ることを望んでいる。
それを言い当てた佐切は、代々首切り人を務める山田家の娘で、女性ながらこの道を選んだ。
時代的に“女のくせに…” “女ならば…”と言われることもあり、彼女の中でも様々な葛藤がある。
この二人の感じがすごくよい。
最強忍者の画眉丸の容姿が少年のようで銀髪なのもよい。
私の短歌より、OP曲がぐっとくるのでぜひ聞いて欲しい。
▽フルバージョン
▽歌詞がすばらしい
この感じを短歌にぎゅっとして詠んでみたいけど難しい。
戦闘機キラリ雲間をかすめ去り
使い捨ての命を生きる
スカイ・クロラ The Sky Crawlers
これは映画です。
どこが夏?ってところだと思うのですが、何か戦争について考えさせる作品をひとつ挙げたくてこれを紹介します。
どの時代のどの国かもわからない世界で、キルドレと呼ばれる特殊なパイロットたちが戦闘機に乗り戦争ショーをさせらている。
人々は平和を実感するために戦争ショーを見たがる…という狂った世界。
キルドレは思春期の姿のままで成長が止まり、他者から殺されないかぎり死ぬことがない。
彼らは命を使い捨てにさせられていることを理解しながら歪な生死感の中で生きている。
永遠の命と繰り返される死の中で、生きる意味を見出して行こうとする物語。
8月は日本にとっては終戦の季節です。
戦争とな何なのか。少しでも考えられたらいいなって思います。
以上わたしの旬杯 アニメで短歌でした☆
夏アニメっつたらアレでしょう…というのもあるかもしれませんが、私の見てるものがすごく偏ってるものであしからず…。
どうぞよろしくお願いします。
▽旬杯(俳句・短歌・川柳)募集要項
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