[コラム] 第二次世界大戦が背景にある物語を集めてみます
私が知っているかぎりの物語の中で、第二次世界大戦がテーマ、もしくは背景にある物語を集めてみます。
私は普段、SFとかファンタジーばっかり読んだり観たりしてるので、戦争ものは実はあまり知りません。
そんな私が知っている範囲のものになります。定番のものや新しい作品は入ってないかもです。あしからず…。
戦争のことを考えようと思っている方の参考になれば~。
◎アンネの日記
アンネ・フランク 著
第二次世界大戦下、オランダのアムステルダムに暮らす、ごく普通の少女アンネの日記。
アンネの家族は、ナチスによるユダヤ人迫害・虐殺のホロコーストから逃れるため「後ろの家」と呼ばれる隠れ家で暮していた。
と説明するまでもなく世界一有名な日記なんじゃないかしら。
もしもまだ読んだことがない人はぜひ『完全版』を読むことをおススメします。
悲劇や絶望だけではなくて、そこには生きているごく普通の思春期の女の子、生々しいアンネ・フランクがいます。
◎黒い雨
井伏鱒二 著
広島市内で被爆した夫婦とその姪の数年後の物語。実話を元にしている。
当時は放射線障害の正しい知識もなく、被爆者やその家族への差別などあった。
これは今、未憎悪の原発事故を経験した我々にもグサグサくる内容なのではないかしら。
原爆投下直後の広島の街の描写が本当に恐ろしい。
◎針女
有吉佐和子 著
孤児となり仕立て屋の針子として働く主人公が、その家の息子に密かに想いを寄せている。
そんな彼に召集令状、いわゆる赤紙が届く…。
何度も反芻したくなる物語です。
◎収容所(ラーゲリ)から来た遺書
辺見じゅん 著
昨年『ラーゲリより愛を込めて』というタイトルで二宮くん主演で映画化されたので見た人も多いかも。
この物語の主人公である山本幡男氏の家族と私の母が友人だったために、子供のころから聞かされていて個人的に他人事ではないお話なのです。
映画になるような凄まじい執念のお話なんだけど、現実に起こったことです。
山本氏とは関係ないのですが、私の母方の祖父も戦死していて、北の海に沈み遺体も戻って来ていません。
こんなことが、ごふ普通の多くの家族に起こりました。
◎はだしのゲン
中沢啓治 著
小学生のときに、アニメ映画が上映され、母に連れられて観に行った。一年生だったか二年生だったか。
私は冒頭の原爆が落ちるシーンで女の子の顔がとけて目玉が飛び出すシーンだけ覚えているけど、その後の記憶がない。
母によると、私は嘔吐してショック状態に、3つ下の弟は気を失ってしまったらしい。
母の言うこともだいぶ怪しんだけどw
まあ、とにかくものすごいショックでした。
これ以降、私は何年もトラウマを引きずっていたけれど、反対にかなりグロテスクな表現をしている戦争ものの漫画なども進んで読んだりするようになり、『はだしのゲン』の漫画も何度も読みました。
私の個人の意見としては、小学校高学年くらいになったら、どんどん読むべきと思っています。
ゲンが言っている意味が解るまで読むべきと思っています。
◎総員玉砕せよ!
水木しげる 著
本人の南方戦線での体験を元に綴られる戦記。
生々しく壮絶。しかしその根底にユーモアのフィルターを通した視線がある。それがなんだか狂気的。
ジャングルの中で敵と戦っているのも正気の沙汰ではないし、そもそもジャングルの中で生き延びるのが凄まじいことなんだ。
ジャングルの描写もすごい。
◎アドルフに告ぐ
手塚治虫 著
アドルフ・ヒトラーを含む、三人のアドルフの物語。
「ヒトラーがユダヤ人の血を引く」という機密文書を巡り、時代を跨いで繰り広げられる数奇な人生。
一言では言い表せないものすごい物語なのでぜひまだ読んでない人は読んでほしい!!
◎禁じられた遊び
ギターの曲がやたら有名な映画です。
ドイツ軍占領下のフランスが舞台で、避難中に戦闘機から攻撃を受け、少女ポーレットは目の前で両親と愛犬を失ってしまう。
犬の死体を抱きながら彷徨っているところを、牛飼いの少年ミシェルに出会う。
一緒に暮らし始めた二人は打ち解け合って一緒に遊ぶようになるが、死の概念がわからないポーレットに墓を作ることを教えるのだけど、それがだんだん墓を作る遊びに発展していき…。
というお話。不気味極まりない。
◎火垂るの墓
二回目、辛すぎて見れないやつ。
最近、いじわるなおばさんの方に共感してしまう人がいるとか。
自分が何者になっていくのか、少し立ち止まって考える時間も必要じゃないのって思います。
<スピルバーグ作品>
スピルバーグ監督の映画はだいたい好きなのですが、戦争ものもかなりすごい迫力。
◎太陽の帝国
原作はイギリスの小説家 J・G・バラードの体験記。
上海で暮すイギリス人のボンボン ジェイミー少年は避難の際に両親とはぐれて、日本軍に捕まり収容所に入れられる。
鳥かごの中にいた無邪気な少年が、戦争に翻弄されて野生化していく逞しさ。美しくそして狂っている。
◎シンドラーのリスト
ナチスによるユダヤ人虐殺が行われる中、党員のオスカー・シンドラーが自身が経営する軍需工場にとって必要な人材だ…という名目で千人以上のユダヤ人を収容所送りから救った…というお話。
実話を元にしている。
あ、ネタバレしちゃったかも。有名なお話なのでご了承ください。
シンドラーが最初から正義感溢れる善人ではなくて、自分の利益しか考えてないような奴であるところがなんかすごいのだ。
そして最後のシーンはずるい。
◎プライベート・ライアン
これを英雄談と捉えるか否かで意見はわかれるかなと思う。
私はこの映画を見ながら、この世の不条理を想いました。
絶望的な虚しさ…。
冒頭の20分間ノーカットの戦闘シーンが恐ろしいです。
そしてそれ以上に、その後の人間という生き物が恐ろしい。
まだまだいっぱいあると思うけど、思い出せないです。
私は英雄談や勧善懲悪、悲劇ごり押しの物語はあまり好みません。
物事は多面的で正しいも悪いもない。そう考えています。
今日はここまで~。