[コラム] 皆既日食と神話
あれは2009年7月22日。
覚えていますでしょうか。
日本で皆既日食が見られた日です。
ただし、屋久島とかトカラ列島など、地元の人でないとなかなか行きにくい場所でしか観察できなかったために、見に行った!と言う人はかなりの天体マニアなんじゃないかしら?
この日は観測できる場所でデカいフェスとかもあって、私も行く方向で考えてたんですが、いろいろあって行けませんでした。
という感じで私はまだ皆既日食は見たことがありません。
金環日食は見たことあるのですが…。
こんなの見れるなんて地球ってホントに超ラッキーです。
ちなみに、火星なんて二つも月があるけど、小さすぎて日食になっても太陽は隠れません。
日食というより太陽面通過って感じなのです。
NASAの火星探査車が捉えた、人類が初めて見る他の惑星上での日食
いやほんと、火星人だったら日食パーティーなんか地味すぎて盛り上がりませんよね。
というわけで、今日は、こんな超ラッキーな人類が体験した皆既日食について歴史を遡って調べみたいです。
※この記事は2009年に書いたものを再編集しました。
日本最古の日食の記録
日本書紀にその記事があります。
推古天皇は日本初の女帝であり、聖徳太子の時代の人です。
彼女は、この前の月に病で臥せっていて、日食から5日後に75歳でなくなりました。
この日に本当に日食があったのか、調べてみたいと思います。
こんなサイトがあるのです。
日月食等データベース
推古36年は、西暦628年です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/628%E5%B9%B4
で、三月の丁未の朔戊申というのは、当時の暦で3月2日だそうで、これが現在の暦で言うところの西暦628年4月10日とのことです。
どういう計算方法なのかは知らん…。
https://ja.wikipedia.org/wiki/4%E6%9C%8810%E6%97%A5
日月食等データベースで西暦628年の「日食:皆既」「日本付近での見え方:中心食」を検索すると、どんぴしゃ「628/04/10 皆既日食 日本:中心食」と出ます。
実は、他にも日付を入れるとその時の日食の様子を図にしてくれるサイトがあったのですが、なくなってしまいました…。
なので、今はもう改めて確認することができないのですが、当時保存した画像を紹介しますね。
やばくないすか、これ。
めっちゃかけてる!!!
千年以上前の日本書紀に書いてある日食の様子が見れちゃうなんて!!!
このシステム復活してほしいな…。
天照大神と皆既日食
神話と皆既日食というと、日本人ならば 『天照大神の岩戸隠れ』 を思い浮かべる人も多いでしょう。
…多いということにしておきましょう。
それはざっくり説明すると、こういうお話です。
読めば読むほどこれ、日食の話にしか思えないです。
神話と歴史は別物って考えもあるかもしれないけど、神話の中には実際に起こったことも多くあるのでは?と思っています。
当時の人たちのフィルターを通してファンタジックな内容になっているけど、実はそれは科学的目線でみると違うものだったりとか。
『古事記』 や 『日本書紀』 は国家事業で作られた史書です。
それなりの説得力も必要で、ゼロから作り出されたまるっきりの嘘っぱちが書いてあるとは思えないところもあり。
多少なりとも、昔から伝わってきた話がベースになっているのではと思うのです。
アマテラスは、最高神にして女性の太陽神です。
これに当てはまるような女性の権力者がいたんじゃないか…と考えるのが自然です。
昔々の日本に、神々しい女神のような権力者が…。
そうそう、いるじゃんか!!!!!
卑弥呼さまーーー!!!!
卑弥呼が生きていたのは2~3世紀です。
だいたい西暦 170~250年くらいの間かなと言われいます。
さて、この間の日食の情報を検索してみましよう。
オプションの7で図にチェックを入れると、皆既日食が見れた場所がわかりやすいです。
ヒットするの以下の5件です。
193/02/19、210/03/13、222/07/26、247/03/24、248/09/05
この中で日本列島ががっつり観測地に入っているのは、「248/09/05」のみです。
248年って何があった年でしょうか…。
なななんと!!!…卑弥呼が死んだとされる年なのです…!!!!
いまは無き、日食の様子が図でてくるサイトで表示した画像はこちらでした。
「東北南部~甲信越~中部北部で皆既日食」
248年9月5日 5:50。(日本時間)
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
これきたーーー!!!
鳥肌~!!!!
いや、これ、私が発見したんじゃないんだけどね、実際に表示させるとゾクゾクしますね。
最初に発見した人はまじで漏らしそうになったことでしょう。
卑弥呼の死んだ年ってはっきりしなくて諸説ありなのですが、これ見ると、248年でいいじゃねかと思えてきます。
ちなみに、邪馬台国がどこかって論争ありますよね。
この皆既日食は、なんと候補地のひとつである九州では見えないんですよね。。畿内では部分日食。
「東北南部~甲信越~中部北部で皆既日食」なのです。
まあ、邪馬台国がどこだったにせよ、日の出と共に昇って来た太陽がめっちゃかけていて、だんだん元に戻る…なんて天体ショーを見せられちゃったら当時の人はどう思ったかな…と想像するのであります。
ちなみに、奈良でこんな感じ。
中国に使者を派遣するほどの権力を持った巫女的な女がいて、彼女が死んだとされる年に皆既日食があり、しかもその国にには、太陽の女神が隠れたという皆既日食を彷彿とさせる伝説が残っている。。。
これって全部全くの無関係って言える??
卑弥呼=アマテラス
私はそう思っています。
個人の感想です。
しかも、この日食のデータを見てしまうと、邪馬台国って、九州でも畿内でもないんじゃないかな、とか思ったりして。
長野に戸隠ってゆうところがあって、アマテラスの岩戸が開いた時にここまで飛んできたってゆう伝説が残っています。
戸隠神社、有名なので行ったことがある人も多いはず。
すごく不思議な場所なんですよ。
248年の皆既日食を戸隠で見るとこんな感じ。
ここじゃねーの邪馬台国???
なんて・・・・。
ちなみに、岩戸伝説のある地は日本各地にもあるし、古事記が成立したころは女帝の時代だし、天照は男だった説もあるし、推古天皇も日食のすぐ後に亡くなってるし、まあ、日本にはアマテラスのモデルと思われる人は他にもたくさんいます。
持統天皇とかもね。
だがしかし!! 歴史はロマンがあった方がおもしろい!!!
というわけで、たまには歴史や伝承・伝説を科学的に検証してみるのも面白いかなって思います。
最後に、この記事が面白いなーって思ってくれた人におすすめの本を紹介しますね。
この記事は割とこの本を参考にしてます。
では、また。気まぐれに昔書いた雑学系の記事を載せたりすると思います。
よろしくね!
あ! あと、次に日本で見れる皆既日食は2035年9月2日です。
北陸から関東で見れます。
これは見れるかも!!!!!
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