chitoseArkの混沌書架② TRPG編
きみをゾクゾクさせてあげるとしよう…。
きみはただ、道を切り開いて<ラビリンス・オヴ・チトセアーク>を通り抜けるだけでいいのさ。ぺちゃんこにされたり……刻まれたり……炒められたり……石にされたり……首を吊られたり……血を吸われたり……打ち首にされたりせず。油で揚げられたり……魔法をかけられたり……崖から突き落とされたり……食べられたり……粉々に引き裂かれたり……窒息させられたりもせず。吹き飛ばされたり……呪われたり……ぐちゃぐちゃにされたり……めちゃくちゃにされたり……ぐさりと刺されたり……ばらばらにされたりすることもなしに。
なに、たいして期待はしとらんがな。
ということで、chitoseArkの混沌書架、今回はTRPG編です。
TRPGってなに?
そうですよね、まずはその解説から始めないと。
TRPGとは「テーブルトーク ロールプレイングゲーム」の頭文字を取った略称で、その名の通り「何名かのプレイヤーが卓を囲んで行なうロールプレイングゲーム」(役割を演じる遊び)です。
ここを読まれる多くの方は「ロールプレイングゲーム」と聞くとドラクエやファイナルファンタジーのようなものを想像されることでしょう。あれらはコンピューターで遊ぶことからCRPGと呼んで区別したりします。もともとはTRPGの方が先にあり、CRPGが登場する前はこちらの方を単に「RPG」と呼んでいました。
ドラクエでは1人のプレイヤーが冒険者たちを操作し、用意されたゲームシナリオ(冒険や戦闘など)を進めていきますが、TRPGではゲームの進行役となるゲームマスター(ゲームにより呼称が異なります)があらかじめシナリオを用意し、他のプレイヤーは各々キャラクターを作成してゲームマスターが用意した冒険に挑むのです。人と紙と鉛筆、そして想像力で遊ぶ架空世界の冒険、それがTRPGなのです。
(↑これは以前私の個人誌に掲載されたTRPGの説明)
ゲームマスターとプレイヤーは共通の世界観やルールに基づいて行為や判定を行なうため、そのルールブックがどんな冒険になるかをほぼ決定します。今回ここで紹介するのは、多くの先人たちが作り上げた冒険への誘いの数々です。そんな風に思いを馳せて読んでいただければ幸いです。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
ダンジョンズ&ドラゴンズ(ここでは筆者が所持している新和版)
原作:TSR, Inc.が制作・販売
作者:ゲイリー・ガイギャックス、デイヴ・アーンソン
日本での発売:新和(後にメディアワークス、ホビージャパン)
翻訳:オーアールジーと大貫昌幸がメイン(ウィキペディアより)
ダンジョンス&ドラゴンズ(以下「D&D」と記載)は世界最初のTRPGと言われています。1974年にアメリカで生まれたこのまったく新しい概念のゲームはブームの火付け役となり、ひとつのゲームジャンルを確立するに至りました。
我が国でもこれに目を付けた愛好家(前回ゲームブック編でも紹介した安田均氏など)が輸入品を買い翻訳して遊んでいたのですが、1985年に株式会社新和より翻訳版(これを「新和版」と呼びます)が発売されたことで日本でも幅広い層がプレイできるようになったのです。
「D&D」の世界をひとことで言うなら「剣と魔法」。中世欧州的な雰囲気をベースとしており、人間に異種族(エルフやドワーフなど)、怪物やドラゴン、そして魔法が存在する、いわゆる「指輪物語」的なファンタジー世界と言えば分かりやすいでしょうか。
新和版「D&D」はまず迷宮(ダンジョン)の探検に絞ったベーシック・ルール(レベル1~3)がリリースされ、さらに広野(ウィルダネス)にまで範囲を広げたエキスパート・ルール(レベル4~14)が続きます。以後、コンパニオン(レベル15~25)、マスター(レベル26~36)、イモータル(レベル…イモータル[超越者])とシリーズ化されています。
これらのルールブックはボードゲームのような箱に本や使用するダイスが入っている形で販売されており(この販売方法を「ボックスタイプ」と呼びます)、シリーズを追うごとに使用可能なルールや魔法、キャラクタークラス(種族や役割)が増えていきます。
ちなみに私はベーシックとエキスパートのみ購入、他はサークルで知り合った他のプレイヤーに見せてもらっていました。
「D&D」はサプリメントや読み物も充実しておりました。このようなガイドやシナリオ、グッズなども豊富に発売されており、これらのサポートも我が国におけるTRPGのブームが根付くうえで重要な役割を果たしました。
私自身、これに触れたことがきっかけでTRPGに目覚めることとなったので、「D&D」には感謝しかありません。実際プレイした回数も累計で言えばこれが一番多いんじゃないかなぁ。
ただ、当時は私自身がいろいろと未熟だったこともあり、ゲームとしてはかなり邪道な遊びかたをしてしまっていたことをいまにして後悔しています。このことについてはいずれあらためて語るかもしれませんが、あの当時私に関わっていた皆様方に会って謝罪できるならそうしたい、そんな気持ちにさせられる悔恨の記憶でもあるのです。
ソード・ワールドRPG
ソード・ワールドRPG
出版:富士見書房
監修:安田均
著者:水野良、グループSNE
「D&D」(新和版)発売から時を経ること4年。日本においてもTRPG愛好者は増加の一途をたどり、1989年にはついに国産のビッグタイトルが登場しました。それがここで紹介する「ソード・ワールドRPG」です。
(以下「SW」と記載)
制作の中心となったグループSNEはゲームブックやTRPG翻訳版の発売などを精力的に行ない、我が国におけるアナログゲームの旗手的な立場を担っておりました。この「SW」はそんな同社を代表するタイトルとなり、これ以降ファンタジー系RPGの趨勢は「元祖のD&Dか、国産のSWか」という二巨神の激突という様相を呈することとなっていくのです。
(いや他にも多くのTRPGがあるのですが、二強というならこの両者かなと。もう少し範囲を広げるならこれに「SFのトラベラーと邪神のクトゥルフ」あたりを加えて四大怪獣の大決戦…いかんいかん呪われてしまうw)
「SW」も「D&D」同様に中世欧州ベースをベーストした剣と魔法のファンタジー世界の作品であり、そういう意味ではそこまで新鮮味はありません。ただし「SW」は文庫本で発売されており(なんと定価730円!)、その買い求めやすさは従来のボックスタイプに比べて大きなアドバンテージだったと言えます(記憶うろ覚えですが、確か「D&D」はひと箱5,000円くらいではなかったかと…)。ちなみに安田均氏はこの前にも1987年に「トンネルズ&トロールズ」翻訳版を文庫本で出した経緯があり、これからのTRPGはブックタイプでいくという意思をはっきりと持っていたことが伺えます。
こうした価格面での優位さに加え、同社が行なったのは「リプレイ」という「SW」のプレイシーンを収録した読み物のリリースでした。TRPGって実際どういう風に遊ぶものなのかがよく分からない方も、他人のプレイ記録を見れば「こうやって遊ぶものなんだ」と思わず納得。私もやってみようかな…という気持ちの後押しにもつながったと思われます。
「D&D」と「SW」。私は当時どちらかというとD&D派で、SWはD&D卓に入れなかったときに「しゃあない今日はSWにしとくか」みたいなケースが多かったです。なんか「SW」は「D&D」に比べると戦闘システムがいまひとつ煩雑に感じたのと、文庫本だとルールの検索に手間取るのが当時うっとおしかったのだと記憶しています。まぁこれは私の好みの問題で、どっちが良い悪い云々ではありません。両者ともいまなおルールの進化を重ね、遊ばれ続けていますからね。やっぱりこの二大巨神はさすがですよ。
トンネルズ&トロールズ
トンネルズ&トロールズ(私が持ってるのは第7版のみ)
出版:新紀元社
著者:ケン・セント・アンドレ
監修:安田均
翻訳:柘植めぐみ、グループSNE
飲めぬ下戸にはヤキ入れて、付き合い程度じゃ許さずに…。だから!!そのトンネルズじゃないってばさ!いい加減にしないと歳バレるよ?あぁそれと「赤いマフリャオウ」も言っちゃダメだからねっ!!
すみません固い話が続いたんでなんとなくつい。
「トンネルズ&トロールズ」(以下「T&T」と記載)はねー。あんまり語れることないんですよ。当時社会思想社から出てたやつは買ったのですが、それ誰かに貸してそのままになってしまいまして。
分かる範囲で解説すると、元祖「D&D」が発売されてから1年後にフライング・バッファロー社(アメリカ)で発売された後発のファンタジー系TRPGで、日本には1987年に第5版が発売された(グループSNEが翻訳)といったところでしょうか。いま私が持ってるやつは第7版で、この後第8版に相当する「トンネルズ&トロールズ完全版」が発売されているとのことです。
サークル定例会などで他の方のプレイは少し見ていたのですが、とにかくやたらと人が死ぬゲームだった(ルールブックにそれを示唆するようなことが書いてあったらしい)のと、異常な数のサイコロを振るゲームだったことを覚えています。
サイコロを異常に振る理由はこの第7版のルールブックを見ても何となく分かるのですが…。
戦闘のダメージがすべて「サイコロ○個」なのに加え、サイコロの数を数倍にする呪文があったりするので、サイコロの数がすぐに10個、20個と増えていきます。どんな桃鉄の急行系カードだよこれ(笑)。またこの本によればドラゴンは445個のサイコロを振れるとか…もうお腹いっぱいだよママ。
呪文の名前も特徴的で「これでもくらえ!」「のろま」「抗議の嵐」「泥だ沼だ」「大きいことはいいことだ」などなど、他のRPGではそうそう見られない「T&T」ワールドが展開されます。えぇい作者、これでもくらえっ!!
まぁ、一度くらいはプレイしてみたいんですけどね。私だったら任意の数のサイコロを振って結果を出力するプログラムとか組んで持って行くなぁ。
アドバンスト ファンティング・ファンタジー
アドバンスト ファンティング・ファンタジー
出版:社会思想社
監修:S.ジャクソン、I.リビングストン
著者:M.ガスコイン、P.タムリン
翻訳:安田均
私にとって最も思い入れが深いTRPGはこれ。プレイした回数はさほど多くはないのですが、気持ちの上では「D&D」以上の愛と情熱を注いでいました。これと「ブルーフォレスト物語」(残念ながらいま現在所持しておらず)が私の中で至高TRPGの双璧です。
「アドバンスト ファンティング・ファンタジー」(以下「AFF」と記載)は前回のnoteで書いたファイティング・ファンタジーシリーズならびにソーサリーのゲームブック(「タイタン」と呼ばれる特定のファンタジー世界)をベースとし、TRPGのルールに落とし込んだ作品です。
つまりですよ。私にしてみたら、あの
「火吹山の魔法使い」が!
「バルサスの要塞」が!
「盗賊都市」が!
「死のワナの地下迷宮」が!
「雪の魔女の洞窟」が!(キリがない…)
もしかしたら「ソーサリー」だって!!
これらの冒険がTRPGとして遊べてしまうのですから、そりゃ思いが募らないわけがありませんって!!
これを手にしたとき「あぁ私生きてて良かった」って。おおげさかも知れないけど、そのくらいの感動したものですよ。いまこの二冊が私の本棚に残っていることは自身の誇りであり、私がまだTRPGを捨てていないことの証でもあります。もうプレイする仲間いないですけれどもね。
ゲームとしての出来はどうか。ルールについての細かい話は割愛しますが、全体を通じて「映画のように進める」ことを推奨されています。すなわち、あるシーンでやるべきことを終えたら、そこで「カット」として次のシーンまで飛ばす…といったようなプレイの仕方です。これにより、まさにゲームブックを読み進めるようなテンポの良さでドラマを楽しむことができるようになっています。従来の同種のTRPGでは移動に関するルールが明確かつ厳密なものが多くみられましたが、「AFF」においては意図的に「そこはあまり深く考えない」ようにプレイするのがデザイナーの意図に則ったやり方なんじゃないかなと。このあたりのさじ加減は人によると思いますが…。
ルールブックとしては二冊に分かれているものの、その大半がシナリオなどに割かれているため、全体的なルール分量はけっして多くはありません。そしてゲームブック的な勢いで解説されていることもあり、TRPGの初心者にも分かりやすいと感じます。
このように魅力的な「AFF」なのですが、どういうわけか現場(サークル定例会など)でプレイできる機会があまりありませんでした。理由は定かではありませんが、「D&D」や「SW」に押し切られたのかな…。当時私がもうちょっと積極的に推し進めていってたら良かったのですが。
あのこれのサプリメント的なものとして「タイタン」という世界資料集が存在しますが、これも誰かに貸してそれっきりとなっています(私は誰かに貸して返ってこないものがとても多いです)。できたら「タイタン」再入手して、また「AFF」やりたいなぁ。あ、いまこんな立派な第2版出てるんだ…。
混沌の渦
混沌の渦
出版:社会思想社
著者:A.スコット
翻訳:佐脇洋平、清松みゆき
ここからはちょっと異色なファンタジーTRPGを2つ紹介します。まずはこの作品「混沌の渦」。
ベースとなっている舞台は16世紀のイギリス。この時代はイギリスにとって中世から近代への移行期とされており、大航海時代のさ中においてその先陣を切り、「日の沈まない国」と呼ばれた頃にあたるそうです。宗教や経済の変革期でもあり、文化的にはルネサンスの影響があらわれ、後期においてはあのシェイクスピアが登場しました(訳者あとがきより)。
そんな舞台世界においても本作においてプレイヤーは冒険者となり、しかも魔法が存在していたりします。魔法は「混沌の渦」と呼ばれる無秩序で危険な世界から呼び出され、現実を変化させます。現実を何回も変化させると、現実はだんだん不安定になるそうです(涼宮ハルヒの周囲に働いている力ってこれのことじゃないのかなぁ…?)。
私のこと呼んだのそこのアナタかしら?
職業のバリエーションも貴族、書記官、医者、建築家、公証人、鎧職人、刀鍛冶、石工、絵描き、仕立て屋、肉屋、魚屋、呉服商、傭兵、盗賊、乞食など様々で、人々の暮らしの中に根付く世界でのゲームなのだということを伺わせます。またひとつひとつの職能についてもとにかく細かいです。
プレイしたら面白いんでしょうけれども、あいにくプレイする機会に恵まれませんでした。でもこういうの、読み物としても面白いものですよ。
モンスター・ホラーショウ
モンスター・ホラーショウ
出版:社会思想社
著者:J.H.プレナン
翻訳:本田成二
きみをゾクゾクさせてあげるとしよう…。
…はい、本文の冒頭に書いたあの不気味な文章はこの本の書き出しをほんの少しだけいじったものです(正しくは「ラビリンス・オブ・スクワット」と記載されています)。
ということで!ちょっと異色なファンタジーTRPG紹介の2冊目がこちら「モンスター・ホラーショウ」となります。「悪夢と迷宮へようこそ」というサブタイトルからも予感がするように、ひとクセもふたクセもあってなかなか一筋縄ではいかない読み物となっています。
まず、このゲームのマスターである「ウェアウィザード」とやらになるためには「ラビリンス・オブ・スクワット」なる地下迷宮に入って生きて突破する必要があるらしいです。このパートはゲームブックになっており、ごく簡単なルールでとりあえず読み物的に楽しめるようになっています(13番の選択肢に行くと死ぬのでそこだけ注意w)。
ようやく突破するとそこからウェアウィザードやホラーショウについての解説が始まります。ルール量はそんなに多くないのですが、語り方がなんというかルールブック的ではないため、どうにも頭に入りづらい。
とどめに掲載されているシナリオが「プレイヤーのひとりを人狼にする」というもので、いやお前無茶苦茶言ってんじゃねえよという感じの仕上がりになっています。
全体感想としては、読み物としてはそれなりに面白いけれど実際にゲームとしてどうかは未知数です。現に私はこれの卓が立っている定例会を一度も見たことがありません。
クロちゃんのRPG見聞録・千夜一夜シリーズ
クロちゃんのRPG見聞録・クロちゃんのRPG千夜一夜シリーズ
出版:富士見書房
著者:黒田幸弘
ここからはRPGに関する読み物をいくつか紹介します。
この「クロちゃんのRPG見聞録」ならびに「クロちゃんのRPG千夜一夜」とは、パソコン雑誌「コンプティーク」において著者の黒田幸弘氏(愛称:クロちゃん)が連載していた、RPG作品やそれをとりまく背景世界、物語の原作、プレイ中のエピソードなどについてときに真面目に、ときにおもしろおかしく語るコラム集です。
黒田幸弘氏はウォーゲームが日本に紹介されはじめた黎明期よりアメリカからゲームを個人輸入するなどしていたお方とのことで、1979年に日本初といえるゲーム・デザイン専門のプロチーム、レック・カンパニーを結成されたとのことです(ウィキペディアより)。このことは「クロちゃんのRPG見聞録」のあとがきに詳しく記されています。
ゲームなどに関する広くて深い蘊蓄を軽妙な語り口で綴るそのクロちゃんのキャラクターがとても親しまれ、このコラム集は最初「見聞録」で始まり、以降1000話を目指して?「千夜一夜」とタイトルを変えて続くことになるのです。その面白さをひとことで伝えるのは難しいのですが、ここではタイトルの一部を記載するに留めましょう。RPGに興味なくとも、何となく気持ちをそそられるタイトルじゃないですか?
「ギルドの掟は怖いぞぉ!」(見聞録)
「ワナを置く馬鹿、かかる馬鹿」(見聞録)
「モンスターに愛の手を!」(千夜一夜②)
「島は居よいか住みよいか」(千夜一夜②)
「美形はやっぱり得だよね」(千夜一夜③)
「秘密結社の謎・謎・謎」(千夜一夜③)
なお「千夜一夜①」は誰かに貸して…(略)。「千夜一夜④」まで出ているはずなのですが、私はなぜか④は買わなかったのですね。激しく後悔しているのですが、なんとところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアム内にある「マンガ・ラノベ図書館」にて発見!めでたく読破できたのでした。
モンスター・コレクション
モンスター・コレクション
出版:富士見書房
著者:安田均、グループSNE
ファンタジーRPGに登場するモンスターについてひたすら書き記した本。
データベース的な本でもありますが、読み物として楽しめます。昔はこういう本を数冊持っていましたが、誰かに貸…(略)。
こういうの読みながら、自分がマスターやるときにオリジナルのモンスター考えたりとかよくやったものです。
トラップ・コレクション
トラップ・コレクション
出版:富士見書房
著者:安田均、グループSNE
RPGに登場するトラップについてひたすら書き記した本。
いやもうこういう本大好きですね性格的に(笑)。好き過ぎて全部の通路と扉と部屋にトラップが仕組まれた迷路とか書いて遊んでました。えぇ、当時からネクラって言われてましたとも(毒)。
この本はただトラップを紹介しているだけではなく、トラップ・マスターのレイドールという師匠とその弟子カイル、そしてトラップに挑む冒険者との掛け合いみたいなストーリーになっています。ラストでレイドールは自身が仕掛けたすべての罠を打ち破られ、カイルと共に修行の旅に出ることになるのですが、その後の展開はちょっとほっこりするいいお話しです。
フタリソウサ
フタリソウサ
出版:新紀元社
著者:平野累次、冒険企画局
最後にちょっと異色なTRPGを紹介して本文を締めくくりましょう。タイトルは「フタリソウサ」。
サブタイトル「バディサスペンスTRPG」の文字通り、プレイヤーは事件の重要なところを見抜く「探偵」と、探偵を支える「助手」の二人組となり、共に手を取り合い事件の謎を解き明かしていくゲームです。
単なる謎解きだけではなく、様々な性格がゲーム内要素として決定され、これらがゲーム内の意思決定に何かと影響を及ぼしたりします。例えば探偵なら「運命の血統」、「天性の才能」、「マニア」。助手なら「正義の人」、「情熱の人」、「巻き込まれの人」といったような感じで。この他にも「好きなもの嫌いなもの」、「異常な癖」などといった要素があります。演じる際にはこれらのことも加味し、真に迫った演技を試みると良いかも?
実際に買ったきりでまだプレイはしていないのですが(ちょっとルールが細か過ぎてちゃんとインストできるか自信がない…)、作者は金田一とかホームズとかを意識したんじゃないのかなぁとルールを見ていて思いました。
ということで、今回も長くなりましたねぇ…。これの他にまだCRPGに関する本やらゲーム関連書籍やらが山とあるのですが、キリがないので混沌書架の紹介はいったん打ち止めとしておきたく思います。また何か紹介したいものができたら気まぐれにて再開するかも。読者の皆様からの「この本もう少し詳しく知りたい!」等リクエストあれば優先的に取り上げさせていただくかもしれません。それではまたいずれ。