#イベントレポート講座感想~塩畑さんメモとらないでみませんかってホントにっ!?
どうも、noteフェスでイベントレポートをさせていただく予定のchitoseArkです。フェスの予習になればと思い、10月6日に行なわれた#イベントレポート講座を視聴させていただきました。
講座は10月6日にてすでに行われた後ですが、このようにYouTubeにてアーカイブが残されておりますので、後からでも見ることが可能です。イベントレポーターでなくとも興味ある方はぜひ。
講座自体は二部構成となっており、主にイベントレポートの書き方を塩畑大輔さんが、twitter実況の方法を金子智美さんがそれぞれ担当していらっしゃいます。私はイベントレポート担当なので、とりあえず塩畑大輔さんの講義内容についてここでお話しさせていただきます(ちなみに私は仕事の関係でリアルタイムで視聴することがかなわず、アーカイブにてこれを見て書いていることをあらかじめお断りしておきます)。
スクショを撮影して投稿してもOKとのことですので、遠慮なく。
塩畑さんは本講座の根幹として、まずこのようなことを主張されています。
「メモをとらずにみてみよう」
と。その理由として、
・執筆に必要な要素は、実はそんなに多くないかも…
・覚えている範囲内で書いたほうが「自分らしいレポート」に
ということをあげられています。
さらにそのうえで塩畑さんはイベントレポート成立に必要な要素として、
①…ハイライトorパンチライン
(イベントの中で最も印象に残った場面、コメント、フレーズ)
②…舞台設定
(イベントの設定、背景。視聴者はどんな方か。自分は何故注目したか)
③…解釈
(①について自分がなぜ最も印象に残ったのかの分析・解釈)
④…未来
(③を踏まえて、視聴者ならびに自分がどう変わっていくのかへの期待)
の4つの要素をあげ、その中でイベントの最中にしか得られない情報は実は①だけであり、②~④は後からでも調べるなり考えるなりして埋められるから、メモらなくても怖くないかも、と主張されています。
この「メモらなくてもいい」を補強する要素として、塩畑さんは
その方が登壇者が本当に伝えたいと思っていることが話している表情、声色ごと伝わり、何を見たかより「どう見たか」という自分なりの視点で受け止めることができると仰います。それを書き示すことで「イベントに込められたメッセージそのもの」を「自分が書くからこそのレポート」に昇華させることができるのだと。
言い方は多少変えていますが、おおむねこのような内容でした。
これをお読みの皆様は如何感じられましたでしょうか。
私自身の見解を言えば、まぁ言っていることの中には納得できるものもないことはありませんが、少なくとも
メモを取らないで人の話を聴けという主張については完全否定させていただきます。
塩畑さんがそういうやり方でこれまでお仕事をされてきたことについては否定しませんし、そこにはご自身の経験則に基づく「理」が確かに存在するのでしょう。それは良く分かります。
ですが、まず大前提の一般論として「人の話を聴くときにメモを取らなくて良い」などということは絶対に社会では通りません。
それは自身がその内容について理解するしない以前の問題として、語る相手に対して甚だ失礼な態度です。私も新聞社の発行する月刊誌で記事を書いていたことがあるのですが、相手の会社へ取材に行ってメモも取ってませんでしたなどということが明らかになったら大問題だと思います。「覚えている範囲の要素で書く」などとプレゼン資料に書かれていますが、もはやこれは執筆業に対する冒涜ですらあると思っています。
少なくとも読者に記事を届けることを生業としている者が、あのような不特定多数の皆様に向けて発信するような場において、一般常識に反することをあたかもそれがセオリーであるかのごとく語るのは厳に慎んでもらいたいというのが、あの講座を聴いて私が抱いた感想です。
さて、塩畑さんがメモらないことのメリットならびにメモることのデメリットについて語られましたので、私は反対にメモることのメリットならびにメモらないことのデメリットについてお話しいたしましょう。
メモることのメリット。記録に残ること。当たり前です。メモらなかった場合、残るのは記憶だけです。記憶などというものは当てになりません。人間だから忘れることもありますし、後から別の内容に上書きされることだってあります(後者の方が捏造に繋がりかねないので、より大きな問題です)。
さらにメモることはその方の信用に繋がります。取材などの場合、後で言った言わないの話になることがあります。そんなとき、常にメモを取る習慣がある人とそうでない人とでは、どちらがより信用されるでしょうか?逆に言えば、メモを取らない人の書いた記事は常に信憑性に置いて疑わしいというレッテルを貼られざるを得ないのです。
確かに塩畑さんが仰るように、メモを取らずに見ることで見えてくる現場の息遣いや表情、声色といった要素は確かにあるでしょう。これをメモらないことのメリットと言うことは確かに可能だと私も思います。ですがそれは、記事の正確性や信用とトレードオフにする価値があるものでしょうか。
まとめます。
メモることのメリット:
・記録に残る。・他者から見て信用に足る。
メモることのデメリット:
・現場の息遣いや表情、声色など見落とす要素がある。
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メモらないことのメリット:
・現場の息遣いや表情、声色などを抑えられる。
メモらないことのデメリット:
・記憶にしか残らない。・他者からの信用に欠ける。
あと加えて言っておくと、この「メモを取る」の内容は「話されていることについて自分がどう感じたか」「最も心に残ったコメント、フレーズ」など塩畑さんいうところの「ハイライト/パンチライン」も含むのですよ。ただ単に登壇者の言ってる内容をひたすら書き留めるだけでなく、自身の印象を書き留めておくことが、後で文字起こしをするときに決定的に大切なのだということを書き添えておきます。
読者の皆様、とりわけイベントレポートを担当される皆様は、以上の見解をもとに双方のメリット、デメリットを見極めたうえでご自身がどうなさるのかを決めていただければよろしいかと思います。
なお、メモを取るか取らないか以外の点においては、塩畑さんの意見で特に否定するところはございません。職業筆者でもない人にそこまで求めるものかなぁという気は少ししましたけれども。
noteフェスまであと1週間を切りましたね。
どんな形であれ関わる皆様、まぁ各々のやり方にて頑張るとしましょう。
…もっとも私はこういうこと書いたので、イベントレポーターを降ろされているかも知れませんけどね。
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