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ミステリーゲームのド素人家族が「楽園島物語」を遊んでみました(ネタバレ無し)

ゲームマーケット2024秋にて買い求めたミステリーデュオ「楽園島物語」をようやく開封し、家族で遊んでみたので感想を書きます。なお私は謎解きもミステリーもド素人なので、あくまでその視点で語ることご容赦ください。

「楽園島物語」というゲームについて

今回紹介する「楽園島物語」(ミスボドゲームズ)は、昨年のゲームマーケット2024秋にてリリースされたアナログ推理ゲームです。現在はオフライン版とオンライン版の2通りでご用意されているようですね。

オフライン版(¥3,600-)

オンライン版(¥2,000-)

楽園島という島で起こった殺人事件に対し、現場近辺を調査したり、登場人物に聞き込みしたりしながら情報を集め、事件の真相に迫っていく…というのが本作のおおまかな概要です。

ゲームパッケージより

情報は場に出ているカードをめくることで次第に明らかになっていきます。カードの中には事件の核心に迫る内容のものもあれば、そうでもないものもあります。いかに重要な情報を見抜けるかが、本作攻略の鍵となります。

「ミステリー二重奏」の名が示す通り、このパッケージには楽園島に関するお話が2つ記されております。章立てとしては最終章を含めて3つの章で構成されています。

一見するとマーダーミステリーのように思えますが、本作は「フラグメントミステリー」と銘打っています。

マーダーミステリーと異なる点は、

・プレイヤー間の対立要素がないこと
(つまり犯人役などのプレイヤーがいない、完全な協力型ゲームである)

・プレイヤーに出来ることは、情報カードをめくることと話し合うこと
(1枚ずつめくる度に、現場を巡る状況が少しずつが明らかになっていく)

・プレイヤーが目指すのは、なるべく少ない手数で真相に迫ること
(カードを多くめくり過ぎてしまうと評価が下がってしまう仕組み)

以上のことから解釈すると、プレイヤー全員が知恵を寄せ合い、良き名探偵となることが求められるゲームということになるでしょうか。

これが情報カード(あえてボカしています)
1枚1枚めくる度に、真相が近付いてきます

「フラグメントミステリー」というジャンルについては、以下のnote記事もご参照ください。作者自ら、丁寧に解説しておられます。

ゲームデザイナーの秋山真琴さんについて

ゲームマーケット2024秋にて撮影

本作のデザインをされた秋山真琴さんは、これまでにマーダーミステリーや謎解き作品を多数リリースされた実績をお持ちです。ゲーム制作のみならず執筆活動、講演、イベント主催など活動内容は多彩(いつかそのうち、この方のゲーム会に参加してみたいです)。

ご本人から伺ったお話によれば、昨年放送されたテレビアニメ「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」の前日譚にあたる「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド:ビフォア・アライバル」(マダミスアプリの「ウズ」対応)にてシナリオを担当されたとのことです。

(▼そういやこれの感想記事もちゃんと書かないとな…)

秋山真琴さんはnoteも書いておられるので、気になった方はぜひ見に行ってくださいませ。

何せほら、私らミステリーゲームド素人揃いの探偵一家だから…

それではプレイングレポートいってみましょう。とは言えネタバレにあたる内容は書けませんので、伝えられることは限られているのですが。

まず初めに、私ら一家はこの手のミステリーゲームド素人です。

いわゆる「マーダーミステリー的なゲーム」を家族で遊んだことはほとんどありません。そんな私らが、「推理好きのあなたに贈る」なんて書いてあるゲームに手を出しちゃって大丈夫なのかっていうね。

私(筆者)は家の中では唯一、マーダーミステリー的なイベントに参加したことがあります。しかしそれはあくまでも大人数イベントであり、一般的なその手のゲームは未体験。一家の中で最も頼りにならない大根柱です。

(▼ちなみに遊んだのってこれです)。

妻はマーダーミステリー的なゲームこそ遊んだことないはずですが、推理小説が割と好きで、刑事・探偵ドラマで犯人を見事に当てることがあります。純粋な推理能力で言えば、我が家で最も頼りになるのは彼女でしょう。

娘もマーダーミステリー的なゲームは(以下同文)ですが、我が家で唯一の人狼ゲーム経験者というのが強み。家族ボドゲでも特に正体隠匿系のゲームに強く、誰が犯人(人狼/スパイ)かを当てる嗅覚と直感に優れています。

こんな一家なので、はたしてホントにゲームになるのかどうか。とりあえず家族みんなで第1章のストーリーを共有し、カードをマニュアルに書いてある通りに並べてみたのでした。

パッケージに載っている部分だけ掲載。
マニュアルにはもっと詳細な事件のあらましが書いてあります。

カードは事件が起きた場所のエリア別に積まれており、その事件に関わりがある「場所」「状況」「人物の名前」などが書かれています。

カードをめくる際のルールは「めくることができるのは、各山札の一番上のカードだけ」ということです(鍵マークが描かれているカードについては、対応するアイテムをどれかのカードからゲットするまで開けない)。

とりあえず物語の前段とルールをざっと把握し、制限時間30分のタイマーをセットした後、我々はとりあえず各エリアの一番上のカードをさっさかさとオープンしていったのでした。

「とりあえず何が起きとるかは分かったけど、これで犯人分かれっていうの無理筋過ぎやんな」
「じゃあもう一枚ずつめくってく?」
「一番上しかめくったらあかんて書いてあんで」
「それじゃゲーム進めないじゃん!」
「たぶんそれ『下から見るなよ』っていうくらいの意味で、すでにどけられてる列の一番上はめくっていいんじゃないの?」
「まぁせやな…ほなその解釈でいこか」
(でもそれだと、とりあえずガンガンめくっていけば犯人すぐ分かってしまうのでは…そんなゲーム、あの人が作るかなぁ…?)

ガンガンいこうぜ

かくして、とりあえず「ガンガンいこうぜ」モードに切り替えた私ら素人探偵一家は、一応各エリアを1枚ずつまんべんなく取り、全部見終えたらまた各エリアを1枚ずつ取る…という方針で進めていくことに。めくるのにアイテムが必要なところは取得してからオープン。一応そこはズルしないでやりました(とはいえ普通にやっていれば必要なアイテムは自ずと出てくるので、そこはあまり神経質にならなくとも良い)。

こうして公開情報を上の写真のように見やすくならべながら、ワイワイガヤガヤと推理?合戦を繰り広げる我が家。しかしこのゲーム、各エリア山札の上から4枚目を超えたあたりから油断ならなくなってきます。

というのも、こんなマークがプリントされたカードがあるからです。

どのカードか分からなくするため漂白しましたw

このマークは特定のカードに仕込まれているもので、これが公開されている枚数が少ないほどゲーム終了後の評価が高く、逆にこれが多すぎると評価が低いということになります。

なるほどつまりこれが「ひたすら全部めくっていく」ことの防止策として働いているというわけですね。
(ちなみにこれは第1章のもの。第2章はまた別のマークになっています)

まぁしかしそうは言っても「ガンガンいこうぜ」の我ら一家です。んな評価なんて知ったことかの勢いで景気よくカードをフルオープンした末、推理を我が家で唯一当てになる妻に丸投げし、結果は…半分合ってたけど真相とは微妙にズレていたような感じで、何だかやりきれない思いを残しつつ第1章を終えたのでした。

推理も二度目なら少しは上手に…

ホントは私の中では、来週に続きの第2章をやるつもりだったのですが、

「このまま終われるわけがナイじゃない!!」
「雪辱戦だ!!」
「引き続き第2章行っちゃえ~!!」

みたいな空気になったので、何と想定外の2回戦を開始することになったのでした。とは言えマニュアルを見ると続けて遊ぶことを推奨するようなことが書いてあったので、これで良かったのかも知れません。

第2章~最終章についての詳細はここでは割愛します。ひとつだけ言えるのは第2章以降は第1章とは登場人物も楽園島の中身も異なっており、プレイヤーにもまた違った資質が求められるということ。

第2章のカード配置

その流れのまま物語は最終章へ…。そこで我々が目にした事実は、単なる殺人事件を超■△@*◇▼%◇★$(以下隠匿)

そしてプレイヤーである我々一家はどうしたかというと…。

何とここで娘が何かを感じたのでしょう。即刻の決断でこのゲームに決着を付け、結果的に私ら一家は「二つ星旅行客」の称号を勝ち得て終えることが出来たのでした。

あの判断は凄かった。ウチら夫婦だけでは、そこ動けなかったわ。
娘は時折、こういう勘が滅茶苦茶鋭く働くんだよな…。

そんなこんなで、最後は何とかキレイに終わることができました。この手のゲームは初挑戦でしたが、家族に喜んでもらえたのが何より良かったです。全員協力型っていうスタイルが良かったかも知れません。

あのときゲームマーケット2024秋で迷っていた私の背中を押してくださった秋山真琴さん、良質な体験を私の家族に授けてくださり、本当にありがとうございました!!

ボードゲームとCRPGがメインの我が家ではありますが、いずれ家族がまた(予算的に)許してくれたなら、今度はちゃんとしたマーダーミステリーも展開してみたいなー、なんて思いました。
(しかし3人で遊べるマダミスなんてあるかなぁ…?)

すべての真相を知った後で振り返る感想戦

何度も言いますがネタバレあきません。ダメ絶対。
ですが、パッケージを振り返ることくらいは良いでしょう。

「ミステリーの禁じ手に挑むアナログ推理ゲーム」

遊ぶ前は何気なく見ていたパッケージに書かれていたこの文言。
すべての真相を知ると、なるほどそういうことか。

いやでもそれ、プレイ中にそうと気付くのはほとんど無理ではないかと。
あの情報でそれに思い至るなんてほとんど不可能なように思います。

ミステリーの古典的著名作品を多少なりとも知っている妻は、なるほどそういうことかと気付いたようでした。

私は、それ噂に聞いたことはあるけど読んだことないんですよねー。

娘はたぶん読んだことないけれど、直感的にヤバいやつだこれって感じた。
もしくは、感じる前に身体が動いていたんじゃないかと。あの気付きはもうほとんど超能力か第六感ですよ。

もし仮にこれがあれだと気付いても、それが正解かはなかなか分からない。

作者の秋山さんはよくもこんな謎解きを仕組んだものと思います。
私が知らないだけで、こういうの良くあるのかどうなのか。
今度、ご本人にお会いしたら伺ってみたいものです。

あー、ちゃんとしたマーダーミステリーもやってみたい!!

今回のこれもそうだけど、少なくとも一度遊んだプレイヤーは真相が分かってしまい二度と遊べないので、予算的なハードルが高いんだよな~。映画を観に行くと思えばいいのかも知れないけど…。

ということで秋山さん、そのうちゲーム会とかでお世話になるかもしれませんので、その際はどうかよろしくお願いいたします!!
(了)

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