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#中井久夫

中井久夫先生の「分裂病と人類」の、あまりにも簡略化した解説

中井久夫先生の「分裂病と人類」の、あまりにも簡略化した解説

私が大学学部生の時に読んで、非常に感化された、私にとって、ジェンドリンの「フォーカシング」と並んで、非常に特別な著作。

精神科医の大家、中井久夫先生は、「分裂病と人類」の中で、なぜ 統合失調症の遺伝子が淘汰されなかったのかについて、少なくとも「分裂病親和者(S親和者 )」の、危機状況を「先読み」して不安にかられ行動する形質(Ante festum)が、人類の危機管理において不可欠だったからという

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テクノクラートとしての請負い民主政治家 -二宮尊徳についての壮大なる誤解-

テクノクラートとしての請負い民主政治家 -二宮尊徳についての壮大なる誤解-

 二宮尊徳(金次郎。正確には「金治郎」)というと、戦前の修身の教科書で勤勉と質素倹約を説いた偉人としてのみあげつらわれ、薪を背中に背負って勉学にいそしむ銅像が日本中の小学校に建てられていたあたりから、戦後日本では、日本人の「精神主義」の否定的側面を代表する存在であるかのようにとらえられがちである。

 では、彼は、儒教の教えを説き、農民に辛抱を強いるだけの「道学者」だったのか?

 実情はまるで正

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「『信』なき理解」

「『信』なき理解」

「看護のための精神医学 第2版」(中井久夫 /山口直彦 共著)についての、私なりの感想と、そこからの連想をつづることにします。 

「『信』なき理解」に

    ある種のクライエントさんはさらされている」

という言い方が著作の中に出てきます。

 まずは「この言葉が私の目にとまっただけ」の時点での私なりの感想をお書きします。

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「『信』なき理解」とは何か?

いろいろな言い方がで

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