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音楽の感想

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#音楽

春に向けて気分を盛り上げていく音楽(2025年)

寒くて出不精になってしまいがちな時期でも、お気に入りの音楽を聴きながらであれば気分転換に外へ出てみようかなという気分になったりするから、そういう音楽を中心に集めてみた。 とはいえゴリゴリ過ぎたり、イケイケアッパーな感じだけではなく、あまり下世話にならない範囲で、なおかつこの1年以内にリリースされた作品を中心に選択した感想などを。 Hiddo dhawr/Sahra Halgan東アフリカにあるソマリランドからフランスへ亡命したSahra Halganによる3rdアルバムはD

2024年、夏の夜に聴きたいメロウなグルーヴの曲

既にかなり気温が高めな2024年の初夏、これも地球温暖化の影響なのか。 そういう暑苦しい日には、つけっ放しのエアコンを止めて窓から入ってくる風を受けながら今年もメロウなグルーヴの曲を聴いてやり過ごす。 R&B、ソウル、ソフトロックなどで、主にここ1年くらいにリリースされた音楽などの感想を。 VANTABLACK/Lalah Hathaway1990年にデビューし、55歳になるLalah HathawayはDonny Hathawayの娘。 8枚目のアルバムは2024年6月の

90年代後半~00年代ハウス・ミュージック(3):備忘メモ

90年代後半~00年代のハウス・ミュージックは、気付いたら消えていなくなっていたというトラックメーカーやプロデューサーがたくさんいた。それは時代と共に廃れがちなジャンルならではで、意図的に思い出さないと忘れてしまう。 だから埋もれさすには惜しいトラックを備忘のメモとして残す。かつてレコードで購入した音源がメインとなり、これはその記録の3つめ。 (備忘メモの(2)はこちら) Moving On Up (Mark!s Millennium Vocal)/M PeopleBMGか

90年代後半~00年代ハウス・ミュージック(2):備忘メモ

90年代後半~00年代のハウス・ミュージックは、気付いたら消えていなくなっていたというトラックメーカーやプロデューサーがたくさんいた。それは時代と共に廃れがちなジャンルならではで、意図的に思い出さないと忘れてしまう。 だから埋もれさすには惜しいトラックを備忘のメモとして残す。かつてレコードで購入した音源がメインとなり、これはその記録の2つめ。 (備忘メモの(1)はこちら) Them Drums (Version Dub)/Swagシェフィールドを拠点に活動する、Chris

90年代後半~00年代ハウス・ミュージック(1):備忘メモ

音楽配信サービスや過去に購入したCDやらレコードのおかげで、一生かかっても聴ききれないと思われるほどの楽器を聴ける環境にある。 新たな感動を求めて新曲を探すけど、そうすると古い曲を聴かなくなって気が付くと記憶からも消えていってしまう。 私にとって思い入れの深い90年代後半~00年代のハウス・ミュージックは、気付いたら消えていなくなっていたというトラックメーカーやプロデューサーがたくさんいた。 それは時代と共に廃れがちなジャンルだからこそで、意図的に思い出さないと忘れがち。だか

春に向けて気分を盛り上げていく音楽(2024年)

冬だから当たり前なのだけど、寒すぎて気分が滅入ってくる。ここ数年は手足がしもやけで痛くて、文字を打つPCとマウスすら冷たい。 だからせめて音楽だけは気分のアガるものを。 とはいえゴリゴリだったり、イケイケアッパーな感じだけではなく、あまり下世話にならない選曲で、なおかつこの1年以内にリリースされた作品を中心に選択した感想などを。 Get Up Sequences Part Two/The Go! TeamUKブライトンの6人組による7枚目のアルバムは、2023年2月のリリー

2023年、夏の夜に聴きたいメロウなグルーヴの曲

観測史上かつてないほど7月が暑くなったなんてニュースが流れているけど、湿気とうだるような暑さに逆らわず、メロウなグルーヴの曲を聴きたいときのR&B、ソウル、ソフトロックなどで、主にここ1年くらいにリリースされた音楽などの感想を。 3000°/Ambreルイジアナ州ニューオリンズで生まれ育ったAmbreの新作は2022年6月のリリース。レーベルはRoc Nationから。 AmbreはRavyn LenaeやH.E.R.の作曲でクレジットされている人。 タイトなビートと気怠

春に向けて気分を盛り上げていく音楽(2023年)

大寒を迎えて厳しい日が続くのにさらに一段上の寒波が来るらしい。そんな寒すぎる日々を乗り切るために、気分を盛り上げてくれる音楽を。 盛り上げるとはいえゴリゴリだったり、イケイケアッパーな感じだけではなく、あまり下世話にならない選曲で、なおかつこの1年以内にリリースされた作品を中心に選択した感想などを。 If My Wife New I’d Be Dead/CMAT26歳のアイリッシュ・カントリーシンガー、本名Ciara Mary Alice Thompsonによるデビュー・ア

2022年、夏の夜に聴きたいメロウなグルーヴの曲

今年の梅雨は明けるのが早くて暑い日が続くと思ったら、7月も中旬になって雨の日が続いたりと身体のバランスを整えるのにひと苦労。 いずれにせよ湿気とうだるような暑さには逆らわずに、チル・アウトよりはメロウなグルーヴのある曲を聴きたいときのR&B、ソウル、ソフトロックで、主にここ1年くらいにリリースされた音楽などの感想を。 Piece Of Me/Lady Wray他名義も含めると、恐らく3枚目となるUSのシンガー、Lady Wrayによるアルバムは2022年1月リリースで、郷愁

90年代初期、隙間のUK Rock(感想)

90年代初期、UKの音楽シーンというとマッドチェスターまたはブリット・ポップのムーブメントが思い出されるけれども、それらのムーブメントのせいで逆に取りこぼされている、または忘れられがちな作品の中から、いつまでも聴きたくなるような楽曲についての感想などを。 Giant Steps/The Boo Radleys 2022年3月には、24年ぶりのニューアルバム・リリースを控えているリヴァプール出身のバンドThe Boo Radleysによる、Creationから2枚目のアルバム

春に向けて気分を盛り上げていく音楽(2022年)

大寒を迎えたばかりで、まだまだ寒さの厳しい日の続く日々を乗り切るために、気分を盛り上げてくれる音楽を。 盛り上げるとはいえゴリゴリだったり、イケイケアッパーな感じではなく、あまり下世話にならない選曲で、なおかつこの1年以内にリリースされた作品を中心に選択した感想などを。 Bills & Aches & Blues (40 Years of 4AD) イギリス、インディ・シーンの名門4ADによる40年の歴史から、カバーコンピレーションが2021年7月にリリース。現在4ADに所

心を落ち着ける、2021年冬のダウンテンポ/アンビエント・ミュージック(感想)

忙しなくて気分が落ち着かず、気持ちの昂りがちな年末にこそ、心を落ち着けられるチルアウトを。 以下、この1年以内にリリースされた、ダウンテンポ/アンビエント・ミュージックを中心にした作品の感想などを。 Safe Passage/Frits Wentink & Erik Madigan Heck オランダのレーベル、Dekmantelから2021年2月リリース。サイケデリックな雰囲気のあるアンビエントまたはダブミュージック。 やはりオランダのレーベル、Will & Ink a

The Trash Can Sinatras(感想)_繊細で瑞々しく、美しいメロディーを奏でるギターポップ

The Trash Can Sinatras(以下TCS)は、スコットランドのアーバインで1986年に結成されたバンド。直帰の予定としては、2021年9月に、当時のシングルB面曲などを追加収録した2ndアルバムの再発が予定されている。 TCSは瑞々しいヴォーカルと美しいメロディーを奏でる良質のポップソングを発表しているが、私の印象では楽曲の品質の高さとチャートやセールスの乖離が大きいのではと考えている。(そのせいで、熱狂的なファンが多いともいえるが) スタジオ・アルバムでは

Basement JaxxJaxx_レア・トラックス(感想) 本気で踊らせるラテンハウス

『Jaxx Classics Remixed (2016-2020) / Lost Tracks (1999-2009)』 Felix BuxtonとSimon Ratcliffeのユニット、Basement Jaxxのレア・トラックス集が9/25、日本独自企画盤として2CDで発売されるとのこと。収録曲は全部で16曲。 と思ったら、ストリーミング配信は既にされており、以下4つのセットに分けられて合計したら57曲も!あった。CDには収録されていない曲が多数発表されていて、フロ