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古墳とすみよっさん、堺の魅力を満喫。
先日の大楠巡りで「杭全神社」を訪れた時、チコさんが社務所で堺市博物館の招待チケットを2枚ゲットしてくれていて、ついに行ってまいりました。
大阪府堺市に皆さんはどういう印象をお持ちでしょうか?
私は以前、小学校5年生から10年間ほど、小・中・高と多感な時期を過ごした所でもあるため、友人も多く、いまだにそのお付き合いは続いています。
ですから10年という年数以上に、思い入れの深い土地でもあります。
堺といえば、2019年7月6日に世界遺産登録された「百舌鳥・古市古墳群」のうち、最大級の「仁徳天皇陵古墳」を含む「百舌鳥古墳群」があることで有名ですね。
それらの古墳群を常設展示しているのが堺市堺区にある大仙公園内にある「堺市博物館」なのです。
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私が現在住んでいるところも、他市ではありますが近くですので、息子たちが小さいころは何度か訪れています。
上記マップの通り、「仁徳天皇陵古墳」に隣接されているためか、世界遺産登録を機に、その大仙公園もとても美しく再整備されていることを実感してしまいました。
堺市、めちゃくちゃ張り切っています!
それがひしひしと伝わる1日となりました。
意外にも充実した一日となり、詳細をお伝えするには本1冊分ほどの文字数になってしまいます。
ですから、本稿では簡単にお伝えし、後日、関連記事としてアップしてゆきたいと思います。
堺市博物館・常設展
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世界最大の墳墓
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百舌鳥・古市古墳群は、日本独自の墳墓形式で、
堺市には44基の古墳が現存し、特に最大級の「仁徳天皇陵」は長さ840m、幅654m、高さ37.9mという規格外の大きさです。
まだ「倭」と言われていた7世紀以前の頃において、瀬戸内海から大阪湾を経て海からやってきた渡来人にとって、当時の「倭の国」の権力を誇示するには十分の迫力がありました。
もちろん「エジプトのクフ王のピラミッド」「秦の始皇帝陵」とともに世界三大墳墓の一つであり、敷地面積だけで言うと世界最大のものなのです。
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現在でもすごい規模ですが、当時の人にはもっと驚くものだったでしょうね。
【石棺と副葬品】
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古墳から発掘された「石棺」と服装品のレプリカがありました。
以前「みはら歴史博物館」へ行った時も思ったのですが、鎧が戦国時代~幕末のものより明らかに大きいのです。
やはり古代の日本人は体格は良かったのだと思われます。
もしかして渡来民族の血が混じったためか、それとも渡来人そのものなのか…
少なくとも大陸との関係は私たちが思っている以上に密接なのかもしれません。
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百舌鳥古墳群の南西部に位置する「ニサンザイ古墳」で発見された副葬品の家は住吉大社の「住吉作り」にすでになっているとのことです。
すみよっさんの古い由緒をここでも感じる事かできました。
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千世作のはにわ
(2019年7月・大阪府羽曳野市にて制作)
【鉄砲】
もともと堺は貿易で栄えた港町で有力な商人が多く、平安時代末期から鋳物業の町だったこともあり、種子島から伝来した鉄砲を作るには適した地でした。そこに戦国の魔王・織田信長が当地を手中に収めたことで、一気に技術は向上し、堺は鉄砲の生産地となりました。
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それがやがて、時代とともに同じ鉄製品でも刀や包丁など刃物類の製造にシフトしてゆくのです。
【シアター】
博物館内には壮大な古墳群を俯瞰しながら、古墳の成り立ちを詳しく学べるシアタールームがあります。
しかし、いったん館外に出て北へ少し行ったところの「ビジターセンター」のはド迫力で、メニエール気味の私にはちょっと気分が悪くなるほどのリアルさでした。
特別展
都市の祈り 住吉祭と堺
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住吉祭礼図屏風
この特別展は撮影禁止なので画像はないのですが、Google Arts & Cultureにて詳しく確認できます。
江戸時代初期の大阪の夏祭りを代表する「住吉祭」の神輿が住吉大社を出て、4,6k南の「宿院頓宮まで渡る様子を描いた絵図です。
堺を描いた最古の絵図であり、当時の街並みなども今に伝える大変貴重なものなのです。
今回は何が特別化というと、同じ「住吉祭礼図屏風」でも、ずっとアメリカのサンフランシスコ・アジア美術館所蔵だったものを日本で初公開しているのです。
アメリカで保管されていたため、たまたま修復を日本で行われたのをきっかで、こちらでの紹介が叶いました。
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(画像クリックでGooglemapへ)
正直、私はこの絵がまだ他にあるとは知らなかったのです。
どれも住吉祭りの神輿行列を描いてはいるのですが、どれもアングルが変わったものなので、見ごたえがありました。
こふん前カフェ
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いつもの事ですが、博物館でたっぷり時間をかけすぎ、気づくと1時を回っていました。
実はランチ候補をいくつかピックアップしていたにも関わらず、急激な空腹と、午後も予定していることがあったので、博物館を出て、すぐ北にあるカフェへ入りました。
チコさんも私も、食事に関してはこだわりはないので、早い話が”行き当たりばったり”です。
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ところが、”行き当たりばったり”で選んだにも関わらず、とってもおシャレなお店に驚いてしまいました!
壁一面に観葉植物が苔玉になって吊るされて、テーブルは重厚感ある切り株。
緑豊かで明るい店内に、思わず感嘆の声が洩れました。
食事内容もまたおシャレで、ズッキーニやパプリカのてんぷら、セロリの甘酢漬けなど、和食でありながら洋風野菜を使った、アイディア溢れる和洋折衷の創作料理に大満足でした。
ここはまたリピやな!
ちょっと寄り道
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さて、せっかくですから神社の名所を回ります。
宿院頓宮
先ほど見たばかりの「住吉祭礼図屏風」に描かれていた住吉祭の神輿行列の休憩場所「御旅所」である「宿院頓宮」をまずは訪問しました。
「住吉大社」とは古くから切っても切れない密接な関係にありました。
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方違神社
“方位のない清地”といわれ、方除祈願で有名な神社です。
かつての摂津・河内・和泉三国の境目に位置するのもその由来のようです。
旅や引っ越し、新築・転居等の厄除けなどに後利益があります。
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江久庵
「方違神社」のお隣にあります。
お茶タイムに利用したのですが、店内のゴージャスさに驚きます。
さらには抹茶をオーダーすると和服姿の女性が、目の前でお作法通りに点ててくれるのです。
この演出にも驚きます。
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◇◇◇
実は、今、「狛犬」に目覚めています。
そのキッカケとレポートは後日また記事にするつもりですので、その時にまたこれらの神社は引用させていただきます。
最初は歴史を追っていた私が、とうとう「狛犬」にまで興味が広がってしまいました。
日本史→宗教→神社仏閣→狛犬
とまぁこんな感じです。
もちろん今回同行したチコさんも巻き込んでしまいました。
「狛犬」に関してはまだまだ初心者にも満たない私ですが、文献を漁っていると、その興味深さにロマンを感じてしまったのです。
今後のフィールドワークも見る視点が少し変わる予感がします。
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