2024年の大河ドラマの主人公は紫式部、と昨日発表がありました。
私は去年、橋本治『窯変源氏物語』を読んでいたときに「大河ドラマで平安時代はやらないのかな?」と考えていたので、とても嬉しく、楽しみです。
スポットがあたっているのは源氏物語というより、源氏物語“を書く紫式部”のようなので、おすすめはやはり、『源氏供養』。
橋本治による「源氏供養」は、源氏物語を現代語訳しつつ光源氏の視点で「窯変源氏物語」を描いた橋本治があらためて源氏物語の謎を丁寧に解き明かすものです。謎のひとつであった登場人物の年齢も、たとえば光源氏の父・桐壺帝は光源氏誕生時17、8歳の青年であったと橋本は考証し、橋本治が立てた仮説が現在の通説になったと国文学者の三田村雅子さんも言っています。
これは、作家・橋本治が、千年前の作家である紫式部に最大限の敬意を込めて書いた鎮魂の書でもあると私は思います。