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映画🎞 『エルヴィス』(2022) Elvis


『エルヴィス』(2022)Elvis

アメリカ.オーストラリア:159分
監督  バズ・ラーマン
脚本  Sam Bromell、バズ・ラーマン、クレイグ・ピアース
出演者
オースティン・バトラー
トム・ハンクス
ヘレン・トムソン
リチャード・ロクスバーグ
オリビア・デヨング
コディ・スミット=マクフィー
ケルビン・ハリソン・ジュニア

美しいです。青い瞳に白い肌、蒸気した紅色の頬にプリッと尖った桃色の唇。美しい青年が大画面に映し出されます。うたう姿のなんとも艶かしく美しいこと。これは映画館で観るべきだったと後悔。
エルヴィス演じるオースティン・バトラーはロングヘアーが似合う色男だとは思ってはいましたが、このエルヴィス、パーフェクト。文句の付け所なし満点です。

ですが、一時間も経たず暗雲立ち込めます。
巻き返しを図った中盤では、スターがスターらしく映され、スターを題材にした映画の醍醐味が味わえます。良い映画を観ているという高揚の気分に。
アメリカの歴史、時代の背景、その波乱と共に映されるのもエルヴィスを知らない世代には良い作品かもしれません。世界史上最も売れたソロアーティストなだけに説得力があります。

エルヴィスは私の中ではタブーを犯しながら42歳の生涯を閉じるまでスターであり続け、表現に妥協を許さない男としてイメージ付いていました。
腰振りダンスで、放送事故、放送禁止を受けたソロアーティストです。
表現の自由に "タブー" 。タブーについては、日本の音楽の"タブー"の歴史を私もLIVEなどで時折り取り上げて来ましたがエルヴィスは外せない人です。エルヴィスの腰振りを卑猥としたその背景、文化は、エルヴィスが影響を受けたゴスペルが十分に差別要素として加わったのでしょう。
エルヴィス、ソロでありながら、その選択は痺れるものです。

そして妻、プリシラの立場からすれば... 思わずその光景に凍ってしまいましたが、プレスリーという人の側に居るには当然、受け入れなければならない事情でしょうか... 。
そこから、急速に穏やかではいられなくなります。
殺人的な忙しさ。
精神と体力の安定が何よりだと私さえつくづく感じます。多忙過ぎました。
金、金、金、プレスリーが壊れたのか、周囲の人間たちが壊れたのか。
お金の匂いがする人というのは、孤独にならざるをえないのでしょうか。刻々とその日が近づいているとわかっていながら観るのが辛抱の時間となっていきます。
エンドロール、最後の最後まで聞いてください。

最後に、私にはずっしりとこたえました。エルヴィスファンはどういった目線、心境でこの作品は見たのでしょうか。
処方薬の過剰摂取が、麻薬ではないとされた映し方は、ステージが最大であった彼の本来の真面目さが見えたような気がします。純心にゴスペルに影響を受けた時のまま。悲しさながらにひとつ安心したものでした。
ですが、過剰は過剰、全てが過剰、それもまたエルヴィス・プレスリーが生まれ持った能力と運命でしょうか。


ところで、エルヴィス・プレスリーの『監獄ロック』という曲ですが、エルヴィス、ボーダー、縞々柄を着ています。
私、海外の方が頻繁に訪れる、色豊富なボーダー柄も多く扱う服屋でアルバイトをした経験があるのですが、ボーダー柄があまり受けないのです。ラックを素通りです。黒と白のしましまなんてサッパリです。なんなら、"ボーダー" と言っても通じません(それについては日本語英語なんでしょうけど、あ、stripesか?)。
『監獄ロック』その名の通り、刑務所を意味した歌詞ですが、黒と白の縞々を着用。日本人には黒白の縞々はおしゃれアイテムとして定番ですが、海外と日本の文化の違いがここにもあるのでしょうか? 考え過ぎかしら。

1957年公開の映画『監獄ロック』プロモーション。主題歌「監獄ロック」(Jailhouse Rock)



♟声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
歯科助手経験と音楽療法の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。

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