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城/フランツ・カフカ

  • 1966 角川書店 フランツ・カフカ, 原田 義人

  • 今更ですが…
    旅行に行くのにちょうどいい(コレがちょうど良かったかは、まあビミョウだけれど)本を探していて
    「おおお、コレ高校生のとき途中棄権したままだったなー」
    と、手に取った。

    古典は訳も古いし読みにくいとこもあるんだけど
    これはもう内容がわけわからんというか。
    言ってる本人が次の瞬間自分の言ったことを否定するわ、なんでそんなことするのか説明もわからなければやってる本人もわからない、というような話ばっかり次から次へと出てきて、途中で読み飽きた自分も、まあ仕方ないと改めて思った次第。

    ところがですよ、今回私はこの主人公Kの気持ちが痛いほど痛いほどわかってしまい、すらすら読んでしまいました。

    この城のふもとにある村に働きに来たKって、
    ベトナムに働きに行った私と同じじゃん!! 
    読みながら、腹が立ち、気分が悪くなり、哀しくなった。

    絶対に絶対に村の人々の言動のほうがおかしいのに、言い合いしているうちにこっちの理屈のほうが屁理屈みたいになってくるところとか、やれと言ったことをやらず、やるなと言ったことをやる部下とか、村の全員が自分のことを自分以上に知ってたりとか、うーむいちいち思い当たる…もう思い出すこと限なし。
    ムカムカムカムカ……。

    虫になっちゃった人間と同じで、この城もメタファーなのだろうけど、今の私にとって、この小説はとっても身近な体験談だった……
    人生40年も歩んでくると、カフカの主人公になれるとは……あんまり嬉しくない。

  • 2011年02月26日 00:16

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