🇫🇷グルメなフランス旅気分『海沿いのマルシェ』でお買い物
✒︎ リリアーヌと行くグルメなフランス旅気分
『お買い物』シリーズ第3話
今回は、私の『はじめてのお買い物』体験記。
大人の『はじめて』
たかが海外旅行。たかが買い物。
テーマにする価値もないほど小っぽけなことかもしれない。でも、40過ぎたいい大人の「はじめて」は、地味に、いや結構勇気がいるもの。
TVでやってる子どもの「はじめてのおつかい」は、かわいくって健気。ああやって人は「はじめて」を繰り返しながら大人になるし、周りもどんな結果だって微笑ましい眼差しでエールを送る。
なのに年を重ねるにつれて…
新しい事したのいつだっけ?何年前?記憶にございません…ってな具合に、「はじめて」は激減してく。
なかなかに重たい壁。
敢えてそこに手を付けなくても生きていけるし、失敗や恥が付き物だってことも、いい大人は分かってる。見栄とプライドも加わって、子どものように純粋にはいかない。
小っぽけで大きな夢
初めてのフランス旅は42才。
出張だったお陰で現地在住スタッフの完全サポート付き。「ボンジュール」「メルシー」しか知らない異世界でも、金魚のフンに徹せば何ら困らなかった。もちろんお買い物も。
と言っても旅行先で買う物なんて、せいぜい飲み物や軽食、お土産程度。買う場所もスーパーだったり観光客が利用しやすいところで、欲しいものとクレジットカードをレジで渡せばピッピで完了。
でも、やりたい事は夢としてしっかり残った。
◉ いつかマルシェでお買い物してみたい!
フランス人の日常に入り込み、店員さんとのやり取りが必要。
◉ 大好きなチーズを独りで買ってみたい!
専門店でチーズを選ぶ、カットを依頼する。ハードルが高い。
フランス語
必要不可欠
語学なんて絶対やりたくない!苦手な上に記憶力も老化し始めてる。この年で始める?4人の子育てと家事、役職付きの仕事、親のこと、どう考えても新しいことを捻じ込む余地なし完璧ムリ!途中でやめる自信しかなかった。
でも、夢を叶えるには必要不可欠。
分かってる…分かってるってば…
初めての旅から葛藤し続けて2年。ふと、私、買い物したいんだった。そうだ!大好きな食に絞れば続くかも。
無理なくできる月1回の「料理教室でフランス語」を習い始めた。ABC(アーべーセー:フランス語のエービーシー)からのスタート。
出張から4年後、46才。
次女の卒業旅行に母娘旅しよう!2度目のフランス旅。待ちに待った実践のチャンスがやってきた。
夢の舞台は、
洗練された都会のパリじゃなく、昔ながらの庶民の暮らしに近付ける地方のマルシェ。でも、ガチの田舎は海外旅行に慣れてない私にはハードルが高過ぎる。都会の要素も兼ね備えたアクセスの良い南フランスのニースに決めた。
フランス語実践の時!
ニース空港からホテルまではバス。チケットカウンターを覗くと、体格抜群のマダム。無表情…怖っ!どの路線?どうやって買うのよ?…とにかく行きたい場所言えば買えるはず。ブツブツおさらい深呼吸。がんばれ私!
言葉が分からなくたって、身振り手振りで買えるっちゃ買える。
海沿いのマルシェ
翌日、まだ人出もまばらな朝。
初めて目にする憧れのマルシェ。わ〜っ、かわいい!まるで待ち望んでた愛おしい人にようやく逢えたかのように、笑みが止まらないアラフィフ。隣を歩く娘からの若干冷ややかな視線。
◎ 果物屋さん
鮮やかでかわいいフルーツたち。口いっぱいに満たされそうな大ぶり苺。葉っぱ付きの金柑、へ~「クムクワット」って言うんだ。フランス語の果物一覧にも載ってなかった単語、生きた学びだわ!ミニバスケットの木苺にブルーベリー、そのままパクッと?コンフィチュールも作ってみたいなぁ。妄想は広がる。
◎ パン屋さん
ガリッと音立てて丸かじりしたいバゲット。ザクザクッと両手で割りたい田舎パン。体においしいセサミパンにライ麦パン。香り漂うガーリックパンにオニオンパン。粒々ジュワっとオリーブパンに、葉っぱ型した地元パンのフガス。チーズ乗せて食べるならどれがいいかな〜?
◎ ナッツ屋さん
ワインのお供の鉄板。遠い記憶のおじいちゃんがやってくれたくるみ割り、バキバキッて音が懐かしく蘇る。日本では見たこともないアーモンドやヘーゼルナッツまで殻付き。山積みのこれでもか!ってドライいちじく。いかに食が豊かかって直球で伝わってくる。
◎ 砂糖菓子屋さん
フランスで修行したパティシエの友人が教えてくれた、プロヴァンス銘菓フリュイコンフィ。やっと本場のに逢えた!砂糖水に果物を浸しては煮てを繰り返し1ヶ月以上もかけて作る蜜々しいグミのような食感のお菓子。美しいそのままの形の透き通った洋梨、みかん、さくらんぼ、メロン、杏、オレンジ、レモン、パイナップル…
◎ お総菜屋さん
フランスは肉食とは聞いていたけど、こんな強烈パンチで食欲をそそられるとは。ハムは肉そのものの迫力ある断面、オーブンからそのまま運ばれてきた肉々しい手作りパテ。フランス人にはごく当たり前の身近な食材がずらりと並ぶ。どうやって買うんだろ?…このお買い物はハードル高め。
◎ チーズ屋さん
コレよコレ!小走りで近寄った夢のチーズ屋さん。買いたい!…と同時に、目が泳ぐ。どれが何か?さっぱりフランス語が読めない。とりあえず適当に買っちゃえ!なんて勇気すら出ないほど。
マズイ、店員さんと目が合ったら最後だ、一言も理解できずうろたえてる自分が浮かんだ。ダメだ!買えない。えーーー?!そそくさと観光客ぶって買う気もさらさらないかのように、通り過ぎてしまった…情けない(涙)
◎ スパイス屋さん
素材の味を大切にするフランスは、調味料よりハーブやスパイスをよく使う。お馴染みのから、マスタードやワサビの粉末もある。どんな風にマジックがかかるのか?いつかフランス人の家庭料理を食べてみたい。そんな夢も描けるまでになった。
◎ お塩屋さん
ただものじゃない楽し過ぎるバリエーション!ラベンダー塩、アーモンドバニラ塩、燻製塩、ローズ塩、白ワイン塩、フランボワーズ&ピーマン塩…。魚用、お肉用、煮込み用、見てるだけで料理の妄想が広がる。
◎ オリーブ石鹸屋さん
クレヨンみたい!プロヴァンスの広大な大自然で太陽をいっぱい浴びたオリーブ。自然由来の石鹸が、色とりどり選び放題。お土産にいいけど重いのがなぁ…でも、1個180円〜かぁ、悩むなぁ。
◎ オリーブ屋さん
プリプリ瑞々しいオリーブ。グリーンに黒に茶色、小粒から大粒、種あり種なし、赤ピーマン入り、ニンニク入り、ハーブ仕立て。ホテルの部屋でおつまみにでもしたいな。
実は、ここまでで何も買えてない。「フランス語を使って買う!」とミッションを課した結果。このままじゃ帰れない。
買えたよ!できたよ!
これが、私の記念すべき「はじめて」フランス語でお買い物したもの。
あれから6年、今でもあのドキドキは鮮明に覚えてる。
◎ お花屋さん
フランス人にとって花は暮らしの一部。チューリップにバラ、ガーベラにユリ、かすみ草にスイトピー。ふらっとマルシェで買って気軽に贈れるような花束から家庭用のまとめ売りまで。このチューリップは10本で約900円って安過ぎだよ。
もう一つやりたかったこと。
花を買ってホテルの部屋に飾りたい!
ラナンキュラスの束を買って、日本から持参したカップに生けてベッドサイドへ。暮らすように旅する私の小ちゃくも大きな一歩。
次の夢
◉ 大好きなチーズを独りで買ってみたい!
クリアならず、次の旅へ持ち越し。おとなの「はじめて」は壁が厚い。
次回のテーマ
✒︎ リリアーヌと行くおいしいフランス旅気分
『お買い物シリーズ』第4話
次は、夢のチーズをお買い物。
・買えるまでの道のりはいかに?
・チーズが買える場所の違い
・パリとモンサンミッシェルの旅
◎『お買い物シリーズ』では
普段使いのお店のこと、フランス人のお買い物術、私が暮らすように旅したおつかいシーンへと続きます。どうぞお楽しみに!
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