鳥見散歩<U湖編>2/3話 2023年6月 警戒するコジュケイ
先日、鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんとU湖に行ってきました。
杉などの針葉樹の森が谷間になっているところで耳を澄ませました。
ここは去年来たときに、尾の長い夏鳥の鳴き声を聞いたポイントだったのですが、この時は静かなままでした。
モカさんが上空を見上げました。
「いる……トビ?」
青空を背景にトビが飛んでいたので慌ててシャッターを押しました。
ブログ用の写真ができたとちょっと安堵。
ケッケッケッケッ
大きな鳥の鳴き声が聞こえてきました。
警戒している声です。
モカさんがガードレールから下をのぞき込んで
「何かいる!」
私もガードレールに駆け寄りましたが、逃げていく茶色い毛並みのおしりしか見えませんでした。
まるまるしていて、モフッとしていました。
鳥が1羽、ガードレールを越えて道路まで出てきて、にんげんに気がついて慌ててまた崖下に逃げました。
「コジュケイ!」
モカさんが鳥の名前を言いましたが、コジュケイよりもやや小ぶりだったので、ひなかもしれません。
茶色い毛並みの生き物はにんげんに驚いて逃げたと思うのですけど
ケッケッケッケッ
コジュケイの警戒音はずっと続いていました。
「まだ鳴いているね」
その場をそっと離れて、しばらく先に進むと、ふいに警戒音がやみました。
コジュケイが警戒を解くくらい私たちが離れたか、ひなたちの無事を確認したのでしょう。
こういうタイミングに出くわすと、知的好奇心やらハラハラドキドキやらで、なんとも表現しがたいけど自然観察って楽しいと思ってしまいます。
道の途中で桜の実がたくさん落ちていたり、くるみの未熟な実が落ちていたりしました。
桜の実のところにはメジロが飛び交っていました。
モカさんは双眼鏡で見ながら
「メジロ、コゲラ、ムシクイみたいなのもいる」
そんなふうに言っていました。
私たちは川にぶつかりました。
橋から見下ろす川は激しい濁流で鳥もいなそうでした。
ここの橋でUターンしました。
3につづく。