いつか素敵な双眼鏡を 探鳥会レポート<O市Y地区編>5/5話 2024年12月
先日、O市民探鳥会が行われました。
鳥を探しながらO市の歴史史跡を見学するという趣向です。
探鳥会ご一行は馬頭観音の石像で足を止めました。
この辺りに鳥はいませんでした。
礼子さんが
「Sさんとちるさんが石の先生の隣で鳥を探していて超面白かった」
と言って証拠写真まで撮っていました。
この頃、私は「ジョウビタキがいない」と言いだし、重点的にジョウビタキ探しを始めていたのでした。
黒縁さんはひとみちゃんに
「ジョウビタキって鳥はお墓にいるんだよね」
これには私も同感だったので
「なぜかお墓にいるよね」
ちょうどここで墓地が見えてきたのですが、ジョウビタキはいませんでした。
探鳥会ご一行は次の神社へ行きました。
その間、スタッフは神社の外で待ちました。
上空をトビが飛んだのでスコープに入れたのですが、すぐに車が来てしまいました。
近くにいた人に「トビが飛んでいますよ」と見てもらったくらい。
前の方の集団は、時間が無いと言われているのか、せかせかと歩き出しました。
最後尾集団はまったり。
この日は地元新聞の記者が参加していました。
ひとみちゃんにインタビューしたいそうです。
記者が
「名前を出しても良いですか?」
これにお母さんが
「名前が新聞に出ちゃうって!どうする?」
と、なんだか嬉しそう。
ここでなぜか黒縁さんがひとみちゃんにインタビューしました。
「今日、初めて見た鳥はある?ノスリとか」
「ノスリ初めて見た、あとカワラヒワ」
「カワラヒワ、いいよねー」
このやりとりを記者がメモメモ。
なんだかいい記事になりそうだと思いました。
先導Sさんはカマキリの卵を見つけました。
「ハラビロカマキリの卵!」
「カマキリの卵って大きいのかと思った」
「それはオオカマキリ」
その上空を鳥が飛びました。
「あーー!ハイタカ!」
カラスがハイタカにモビングして追いかけていました。
ひとみちゃんが「ハイタカ見たかった」と言いました。
大人は「まだ見えるよ?」と、空の方向を説明しました。
青い空の遠くの点が見つかったのだといいのですが。
先導Sさんはひとみちゃんに
「カラスと飛んだから(大きさが比べられて)ハイタカって分かったんだよ」
黒縁さんは
「ゆっくり歩いていたから、見られたねー」
黒縁さんが“最後尾は最高日”な洗脳をしてしまって
「最後だから見られたんだよね」
と、ひとみちゃんが言い始めてハラハラしました。
黒縁さんはひとみちゃんに
「まずは、双眼鏡だなー」
この日、ひとみちゃんが手にしているのは青いオペラグラスでした。
子どもの手にはぴったりな大きさです。
黒縁さんがおすすめする双眼鏡ブランドをひとみちゃんはノートに書き込んでいきました。
「スワロフスキー」
それを聞いた私がビックリ。
「スワロフスキー!?一番高いやつじゃん」
ひとみちゃんは
「だいじょうぶ、サンタさんにお願いするから!」
と、けがれのない瞳をして言いました。
私たち最後尾が集合場所の駐車場に戻ったときにはすでに鳥合わせが始まっていました。
分会長Kさんが
「ハイタカらしきものが飛びましたが」
そこへ先導Sさんが
「ハイタカでした!」
観察した鳥を確認し合いました。
最後に分会長Kさんから
「他に見た鳥はありますか?」
このとき、参加者の中から「トビを見ました!」という声が上がりました。
私が好きな、初心者の人たちも鳥合わせに参加してくれるパターン!
トビが飛んでいますよと、少しの人だったけど、声を掛けておいて良かったです。
アンケートの回収があって、参加者は各自の車に乗り込み、帰って行きました。
ひとみちゃんはまだ残っていました。
黒縁さんが分会長Kさんに声を掛けました。
「この子のサンタクロースにお願いする双眼鏡のリストを見てやってくれる」
私も横からひとみちゃんのノートを見てみました。
双眼鏡のメーカーが3つ書かれていました。
スワロフスキー
ツァイス
ニコン
(ニコンが入っているところが良心なのか)
黒縁さんは分会長Kさんの双眼鏡を指しました。
ひとみちゃんにむかって
「これ、ツァイス」
分会長Kさんには
「サンタクロースにお願いするんだって」
分会長Kさんは苦笑しつつ
「そうか、サンタさんも大変だね」
このとき礼子さんが声を上げました。
「ノスリ?」
「そこの電柱の所に」
分会長Kさんがさっとスコープの三脚を広げました。
こういうときに一番はやく動けるのは分会長Kさんです。
電柱の所にノスリがいて、残っていたスタッフや参加者みんなで見ました。
ノスリはしばらく電柱の所にいてくれました。
ノスリを見ていたら、いい時間になったので、周囲の人たちとお礼を言い合って解散しました。