鳥見を始めたきっかけのこと。
私が初めて鳥を撮ってから三度目の春が来ました。
新型の感染症が流行りだして、その対応策を手探りしていたころは、いろんな事をダメだと言われました。
人が密集してはいけない、マスクをはずして会話をしてはいけない、外出もしない。
一方的にダメだと言われ続けた頃は、精神的につらかったです。
運動不足解消のために少し外を歩くのはいいと言われるようになったのがちょうど今頃の季節のことでした。
近所で桃の花が咲いたので、カメラを持って春らしい花を撮ったら気持ちが紛れるんじゃないかと思いました。
桃の花にヒヨドリがたくさん来ていました。
花の中にいるヒヨドリを撮ったら、すごくいい感じの写真になったのです。
それ以来、私は鳥を求めて撮るようになりました。
知らない鳥が撮れるたびに図鑑で調べました。
もう記憶力がだいぶ落ちたとおもっていたのだけれど、鳥の名前はけっこう覚えられたのも幸いでした。
今年も桃の花が咲きました。
新型の感染症はまだまだ出口が見えません。
この事態をうまく乗り切るコツは「感染症のおかげで」という意識を持つことではないかとラジオで言っていました。
とてもいい提案だと思いました。
感染症が流行った現状は決していいものではないですけど、そのおかげで私は野鳥に出会いました。
そして鳥を通して自然環境を考えるようになりました。
花の蜜を食べる鳥もいれば、木の実を食べる鳥もいる。
虫を食べる子も魚を食べる子もいる。
人工物に巣を作る鳥もいれば、何メートルも高さのある木の上に巣を作る鳥がいる。
太い木にだけ巣を作る鳥がいたり、枯れ木にしか巣を作らない鳥もいます。
いろんな鳥を身近で楽しみたいと思ったら、それだけ多様な環境がないといけないということに気が付きました。
何十年も生きてきたのに、やっとそういうことを思えるようになったのです。
次はどんな鳥に会えるのか楽しみです。
その鳥は私の前に広がる世界をさらに広げてくれるのです。