見出し画像

ヒポクラテス全集は案外面白い1 

ヒポクラテス全集は著者が不明であり、様々な流派が混ざっている可能性があるので、ヒポクラテス全集を擬人化して喋らせるとなると、「多重人格の古代ギリシア医師」その名は「ヒポクラテシーズ」 (ヒポs)
まぁ、こんなところでしょう。*異論は大いに認めます
*ヒポクラテス全集の意訳、現代風で書かせていただきます。
*私は現代の日本語でさえお粗末なレベルなので、参考著書は大槻真一郎先生が執筆し、1985年に産学社エンタプライズ出版部より出版されたヒポクラテス全集です。
*稀に現代医学の観点を注釈にてつぶやきます。お許しください。

以下から、ヒポクラテス全集の「食餌法について」を意訳して記述していきます。
今回は冬の食養生をピックアップしています。
それではどうぞ

【 食養生について】

拝啓 不摂生な生活をおくる人々へ

インスタント食品しか食べなかったり、必要に迫られて働いたり、嫌々肉体労働という名の運動をしていたり、生活に必要なものをかき集めるために膨大な時間を労働に割くなど、自分の健康には有益でないと知りながらも、体が温まったり冷えたりしてしまっている不規則な摂生法をとっている一般の人々よ。君たちは事情が許す限り次のような摂生法を摂りなさい

まずは冬の摂生方法から始めよう。現代の暦だとだいたい11月月から冬至までと冬至から2月の頭まではこれでいける

*ヒポクラテス全集は古代ギリシアの地を舞台にしたものであり、地中海性気候を前提としたものなので、日本の気候に置き換えたものは私の考えですが、注釈に書いておきます。
上記の書きはじめからも現代のように労働環境、社会環境に振り回されている人々がいることに安堵しますね、、、

【〜冬の摂生リスト〜】📝
☑︎食餌は一日一回だけ
(ただし、腹が極度空いていたら軽い朝食も摂っていいよ)

☑︎食餌は**乾性**で収斂作用があって体を温めてくれる純粋なものを雑多に使えよ
*多分、地中海性気候は冬の方が湿潤なので、冬に乾いているものをススメてくるのだと思う。日本は逆だから「湿性で収斂作用があって体を温めてくれる純粋なものを雑多に用いる」になるでしょうか。

☑︎ パンを多めにして、おかずには**煮たものよりも焼いたもの**を多くして、飲物は赤ワインを飲んで欲しいけど、少なめにしといてね。
*日本の主食は米なので、パン→米に変更
*焼き物を使うのも気候の違いだと考えるので、冬に乾燥する日本では煮物を多くするべきだとしてよいのではないでしょうか。

☑︎野菜はなるべく摂らないようにしてね。でも、体を温めてくれる**乾性**のものならばいいよ。
*野菜(特に生野菜)は体を冷やすものが多いのでこのセリフなのなのでしょう。日本では体を温めてくれる「湿性」のものになると思います。
☑︎汁物や流動食はなるべく摂らないでね。
*ここも冬の湿潤が反映している気がします。日本では冬といえば鍋ですね。なので、汁物や流動食はなるべく摂るでいいでしょう。

ここから運動も入ります。

☑︎運動はあらゆるものをたっぷりやろう。「え、疲れてしまう?」大丈夫だよ、昼の時間が短いから運動の時間が過剰になることもないよ!
寒いから運動によってゆっくり温まるしかないのだよ。
*大賛成!!冬恒例のマラソンもマラトンの戦いが由来であることから、我々もどんどん運動しましょう。温泉やこたつによって温まるというのは外部からの熱伝導ですから、体の内部から血液を伝った熱伝導も必要だと思いますね。

☑︎ 往復走やレスリングはオリーブオイルを塗って行い、徐々に負荷を上げていくようにね。
*当時は裸になってオリーブオイルを塗ってレスリングをしがちであるが、現代では難しいのでこれに準じた運動でいいのでしょう。当時のレスリングは激しいスポーツ(今でもそうですが)なので激しめのスポーツを選ぶといいのではないでしょうか。

☑︎散歩は鍛錬の後ならば激しくは行わないようにね。
*逆に鍛錬の後でも散歩は行うのですか?激しい散歩とは長い距離のことなのか速度が速いのかは不明ですが、鍛錬の後は景色を楽しみながら散歩をしましょう

☑︎ 夕食は暖かいところでゆっくりと食べよう。
*これが1番ですよね。余談ですが、アスクレピオスの時代は洞窟の中だったのでしょうね。
☑︎朝の散歩はたっぷりしよう。はじめは軽く、徐々に激しくしていこう。ただし終わりは穏やかにね。
*これは解釈が難しいですが、寒いのでウォーミングアップ散歩と徐々にペースを上げてガチ散歩をするということでしょうか。現代医学では高強度インターバルトレーニング(HIIT)を取り入れた散歩が普通に散歩するよりも良いのではないかと言われているのでHIIT散歩をしてみてはいかがでしょうか。

☑︎ 睡眠は硬い寝床で、夜に歩いたり走ったりするといいよ。
*硬いベッドについては現代医学でも議論があるので保留。夜はしっかり寝てほしいですが、当時は日が暮れた時点を夜だと考えると、17時半前後から軽い運動ならありかもしれません。

☑︎沐浴したいならレスリング場で運動後に行うときは冷水浴の方がいいけど、他の運動をしたときは温浴の方がいいよ。
*当時のレスリングはサウナ並だったのかもしれませんね。

☑︎性交も多めにね。若い人よりも年輩の人が行うべきだよ。
*これは当時は年をとるほど冷えやすいという考え(現代もそうかと思います)を持っていたので、年輩の方にススメているのでしょう。スポーツ感覚なのか、人肌を使って温めてくださいという意味なのか。

☑︎ ゲロを吐くといいよ。湿性の体質の人は月に3回、乾性の体質の人は2回、様々な食物をとった後で行いなさい。嘔吐後は3日かけて普段の量まで食物を穏やかに増やしていき、その期間中は運動は軽めに少なめに行う。嘔吐は牛肉や豚肉など、過度な暴慢を起こすものを食べた後で行うと効果的である。また、チーズ質のものや甘いものや脂っこいものを食べて満腹になった後で嘔吐するのも良い。酒に酔った後や食物を切り替えた後や逆立ちした後に嘔吐すると最高だよ。
*当時は悪いものを外に出すために吐くべきだとする考えがあったので、それに基づいているのでしょう。特に冬は湿潤なので液体が滞留しやすいことから外に出すということなのでしょう。日本は乾燥しているので吐かなくて良いと思いますよ。食べる量が減っている時は運動を軽めにするという点は賛成です。

☑︎大胆に寒さに身を晒すのもいいよ。ただし、食後や鍛錬の後はだめ。朝散歩やランニングによって体が温まっているときにやるのがいいのだが、過剰に晒さないようにね。樹木を手本にすると、樹木はkの時期に寒さに晒さないと結実しないし、その樹自体も威勢の良いものとならないからね。それと同じだよ。
*私もずっと暖房の効いた部屋やこたつでぬくぬくするのは賛成できないですね。私もそれなりに寒さに当たることは大切だと考えます。

以上!ヒポクラテス全集から、冬の摂生法の紹介でした。
少々疑問に思う点もありますが、日本の気候を考慮すると案内捨てたものでないことがわかると思います。紀元前から労働により不摂生になっていた人々が存在していたことは驚きです。我々も紀元前の人々とともにこの摂生法をいくつか試してみても良いかもしれませんね。





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集