半身で働く*𓈒
金木犀の香る時期があっという間に過ぎて、寒暖差が身に染みる秋です。
みなさんは体調崩してないですか?
季節の変わり目は、寒暖差や気圧変動が大きいため自律神経の乱れから体調不良になる方が多いそうです。
かくいう私も体調不良ですが、季節柄仕方ないのだと諦めて、その中でできることを無理しない程度にやっています。
朝、具合が悪かったら休むし、出社して体調が悪くなったら早退する。
家事もできなかったらやらない。
10月は体調不良で2日休み、通院で2日遅刻。
それでなんとかなっただけでもありがたい。
9月は体調が良くなっていただけに、急に体調が悪い日が続き、ネガティヴになってしまった時もありましたが、この時期は自律神経を崩しやすいのだとわかれば、諦めもつきます。
大丈夫、良い時があって悪い時もある。
全力で頑張らなくても大丈夫。
「半身で働く」
体調不良になってから息子に勧められた本に推奨されていた働き方です。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」
著者:三宅香帆
著者が働きながら本を読むために、推奨する働き方。
読書とは
自分から遠く離れた文脈に触れること
働いていると本が読めなくなる原因は、仕事以外の文脈を、取り入れる余裕がなくなるからだと著者は言います。
納得です。
私も忙しくなると本が読めなくなります。
倒れる前は、読書が全然できていない状態が長く続いていました。
欲しい情報が手軽に入る時代、欲しい情報は検索して手に入れるけれど、自分に関係ない文脈まで入ってきてしまう読書をすることをしなくなってしまう。
それは心に余裕がないからです。
そういう時は著者も言っていますが休むことが大切。しんどい時は、趣味や新しいことから離れてよいのです。
回復して、新しい文脈を身体に取り入れたくなるまで焦らずに休むことが何より。
心に余裕が無いと、自分が疲れていることも気づけなくなります。
身体にいろんな症状が出てようやく自分が疲れていたことに気づく。
そうならないために、常に心に余裕を持つために、著者が推奨する「半身で働く」働き方を選択したい。
日本人は「全身全霊」を社会全体が、良きこととして、美徳として捉えがちです。
確かに憧れます。
何かに一生懸命に取り組んで、それが報われた話はかっこいい。
仕事に全力で取り組んで頑張っている人達はかっこいい。
「半身で働く」なんて言ったら、一生懸命に取り組んでいない、余力を残している、サボってると怒られてしまいそうです。
仕事に対して全力で取り組むことの素晴らしさも重々理解しています。
でも、仕事に全力で取り組んで、身体を壊したり、家庭を蔑ろにしたり、仕事以外ができなくなっていたとしたら、それは幸せと言えるのでしょうか?
人それぞれ幸せの価値観は違うので、そこは個人が自分なり幸せの在り方を選択していく時代。
著者が引用したニーチェの言葉
そして著者の言葉
自分の体調が悪いことにも気づけない。
そんな状態では、周りの人間の体調や背景など読み取る事など不可能でしょう。
そうならないために、いつも心に余裕を持つ。
ちょっと話がズレますが、精神科医の樺沢紫苑先生が
『運のいい悪い』について、こんなことを言っていました。
『運は整えるもの。』
運が悪い人というのは、実際に存在する。
そういう人を観察していると、忙しくて自分に余裕が無い状態、生活が整っていない状態。
その状態では、自分も周りも見えていないのだから、病気になったり、周りに問題が出たり…
不幸なことが続いてしまうように見える。
目に見えない、『運』について、この話は納得できました。
『運』にも心の余裕は不可欠。
でも、現実的に「半身で働く」とは、どれくらいなのか塩梅が難しい。
仕事に関してはお給料をもらっているのだから、責任を持ってやりたい。
必要によっては、一時的に全力で取り組まなければならない時もあるでしょう。
でも、周りも自分も見えなくなるような状態が長く続いてはいけない。
自分の心と身体の声をしっかり聞いて、自分なりの「半身で働く」を見つけていこうと思います。