『セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業』//今井晶也
本日は、営業パーソンにおすすめの本を紹介したいと思います。その本とは、『セールスイズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術』です。
この本は、営業代行のトップランナーとして実績を上げ続ける会社・セレブリックスの執行役員である今井晶也氏が、23年間に及ぶセレブリックスの「売れる営業メソッド」を公開したものです。
営業は科学であり、失敗の原因を各工程で排除する
まず、この本のメインテーマは、営業は科学であり、失敗の原因を各工程で排除するということです。どんなに素晴らしい営業でも出会ったお客様全員と契約することは不可能であり、実際に、新規営業では82%のお客様は商品を買いません。買わないほうが多くデータが取れるので、買わない理由を分析して、それを排除することで、成果をコントロールしましょうというのが、この本の主張です。買わない理由を排除するためには、営業活動を大きなイベントとして見るのではなくて、7つの小さなプロセスに分割させ、小さなプロセスを問題なく前進させることで、最終的に買わない理由や意思決定における不安要素をなくしていくという考え方です。この7つのプロセスを、著者は「コンサルティングセールスプロセス」と呼んでいます。このプロセスを理解することで、営業の成功率を高めることができます。
コンサルティングセールスプロセスとは
次に、この本で紹介されている「コンサルティングセールスプロセス」とは何かを説明します。コンサルティングセールスプロセスとは、以下の7つのプロセスからなる営業のフローです。
アカウントプラン:攻略計画の策定
アプローチ:信頼獲得
ファクトファインディング:課題設定
オーダーコントロール:要件定義とネクスト設定
企画作成:課題解決策のデザイン
プレゼンテーション:最適な提案
クロージング:意思決定の後押し
少し具体的にまとめてみます。
アカウントプラン:攻略計画の策定
このプロセスでは、自分の担当する顧客や市場について、情報収集や分析を行い、どの顧客にどのようにアプローチするかを決めます。本書では、顧客の属性やニーズ、競合状況、自社の強みや弱みなどを考慮して、攻略計画を作成する方法を紹介しています。攻略計画を作成することで、営業活動の方向性や優先順位を明確にすることができます。
アプローチ:信頼獲得
このプロセスでは、顧客に初めてコンタクトを取る際に、信頼関係を築くことを目指します。本書では、電話やメール、訪問などのアプローチ方法や、顧客の興味を引くための話題や質問の例を紹介しています。アプローチの際には、自分の名前や会社名、目的を明確に伝えることや、顧客の状況や課題に関心を示すことが重要です。
ファクトファインディング:課題設定
このプロセスでは、顧客の現状や課題、目標などを聞き出すことで、顧客のニーズを明らかにします。本書では、オープンエンドの質問やクローズドエンドの質問、確認の質問などの使い分けや、顧客の反応や感情に対応する方法を紹介しています。ファクトファインディングの際には、顧客の話をよく聞くことや、顧客の課題を共感して認めることが重要です。
オーダーコントロール:要件定義とネクスト設定
このプロセスでは、顧客のニーズに合わせて、自社の商品やサービスの提供条件や価格などを決めることで、顧客の要件を定義します。また、次のアクションや日程を決めることで、営業の進捗をコントロールします。本書では、顧客の購買意欲や決済権限、予算などを確認する方法や、顧客にネクストを約束させる方法を紹介しています。オーダーコントロールの際には、顧客の購買条件や期待値を明確にすることや、顧客に責任感や緊張感を持たせることが重要です。
企画作成:課題解決策のデザイン
このプロセスでは、顧客の要件に基づいて、自社の商品やサービスをどのように提案するかを考えることで、課題解決策をデザインします。本書では、顧客の課題や目標に対して、自社の商品やサービスの特徴やメリットを結びつける方法や、顧客の疑問や懸念を予測して対処する方法を紹介しています。企画作成の際には、顧客の視点に立って、自社の商品やサービスの価値を伝えることや、顧客の不安要素を排除することが重要です。
プレゼンテーション:最適な提案
このプロセスでは、顧客に対して、自社の商品やサービスの課題解決策を提示することで、最適な提案を行います。本書では、プレゼンテーションの構成や流れ、話し方や資料の作り方などを紹介しています。プレゼンテーションの際には、顧客の課題や目標を再確認することや、自社の商品やサービスの効果や差別化を強調することが重要です。
クロージング:意思決定の後押し
このプロセスでは、顧客に対して、自社の商品やサービスの購入を促すことで、意思決定の後押しを行います。本書では、顧客の購買意欲や決断力を高める方法や、顧客の最終的な疑問や懸念に対応する方法を紹介しています。クロージングの際には、顧客の購入のメリットやデメリットを明確にすることや、顧客に安心感や満足感を与えることが重要です。
まとめ
営業は科学であり、失敗の原因を各工程で排除することで、成果をコントロールできるということ。また、コンサルティングセールスプロセスというフレームワークを使うことで、営業活動を効率的に進めることができるということ。
この本は、営業代行のトップランナーとして実績を上げ続ける会社・セレブリックスのノウハウが詰まっており、若手の営業マンにとっては非常に参考になると思います。もし興味があれば、ぜひ読んでみてください。
参考文献:
今井晶也『セールスイズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術』扶桑社、2021年
https://amzn.asia/d/c7XuwGC
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