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「誰に書く」がハッキリすると、もっと読まれる。

好きなひとに書く手紙と、
知らないおじさんに向けて書く手紙。

あなたはどちらが、書きやすいですか?
読み手の心を動かすものが書けそうなのは、どちらですか?

私はnoteで書く文章は、たくさんの人がいる広場の中で、ひとりでスピーチをするようなものだと思っています。

自分のつぶやきだなと思えば、声のトーンは自然と小さく、自分だけに語りかけたようになるし。
広場の中にいるあの人に伝わってほしいと思って語れば、声は自然と届く大きさになり、言葉づかいや間合いを工夫し、ちゃんと相手の心へ届きやすくなります。

ボールを投げるのも同じこと。相手を見て投げるからこそ、相手がちゃんとキャッチできるボールが投げられます。

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逆に相手を見なければ、どんなにそこに大勢の人がいたとしても、誰かにキャッチされる可能性は少なくなります。

noteの文章も、「届けたい相手」のことを具体的に想像しながら書くと、書きやすくなるし、かえって多くの読者に届くようになるのでおすすめです。

よく広告やマーケティングの世界では、その届けたい相手のことを「ターゲット」と呼びます。

広告のばあいは「20代働く女性・都市部に住む・ファッションの参考はインスタ・休日は友達と新大久保へ行く」など、ターゲットはかなり具体的に規定されることもあります。

noteで書くときはこんなに具体的ではなくてもいいと思うのですが、「何に興味のある人に向けて書く」「何に悩む人に向けて書く」だけでもイメージすると冒頭から結論まで一貫してブレづらくなります。


身近な人を想像しながら書いてみる

私の書いたものだと、この例はわかりやすいかもしれません。

こちらは「文章を書きたいのに書けないと悩んでいる人」に向けて、書きました。このときにイメージしていた読み手は、3ヶ月前の自分です。

これを書く3ヶ月前まで、私は正味2年間くらいでしょうか。書きたいけど書けないと思いこみ、もがき、うじうじと悩んでいました。以前の自分に対して、どんなことを言ったら、書こうという気持ちになれるかな?それを意識して書きました。

書いてみると、同じようなことで悩まれていた方がコメントをくださったり。「一歩踏み出せた」と言ってもらえたり。同じようなことで悩む方々に届いたような実感がありました。

また、これも例のひとつ。

最近、在宅勤務が増えてきていて、「意外と家で集中しづらい」ことに悩みだしている方も多いのではないかと思いました。

じっさい友達からのそのような声があって、その友達におすすめするような気持ちで、私の体験にもとづくアイデアを書きました。

私は広告をつくるときに「ターゲットの気持ちになって書こう」と言われたことがありました。確かにできるならそれに越したことはないのですが、担当する商品は、おじさん向けのものもあれば、シニア向けのものもあって、なかなか難しい・・・

そこで「親戚の叔父さんに書こう」とか、「おばあちゃんに書こう」と、身近な人にむけて話すように書いたら、うまくいくようになりました。

そんなふうに身近で具体的な人を想像して書くと、かえって多くの方の心に届きやすくなります。

このときに想像する人は、自分の好きな人であることもポイント!好きな人に語りかけるなら、言葉づかいは自然とていねいに、優しくなれます。対等の立場になれるので、上から目線になることも防ぐことができます。


届けたい人によって、口調が変わる

また届けたい人を具体的にイメージするとき、相手によってその中身や、口調が変わります。

たとえば「りんごの魅力」を、説明するとしましょう。私の4歳の息子に話すなら、こうなります。

りんごってね、とってもおいしい果物なんだよ。ママもパパも、おじいちゃんもおばあちゃんも、みーんなだいすき。甘くて、ちょっとすっぱくて。生で食べてもいいし、しぼってジュースにしてもおいしいし、切ってパイの中に入れて焼いてもおいしいよ。赤いのと青いのがあって、かわいいね。

同じことを、上司に話すならこうなります。

りんごは、甘酸っぱさが魅力の、とてもおいしい果物です。日本中の老若男女から愛されています。ジャム・ジュース・アップルパイなど、加工の用途もさまざまです。果物としては赤と青の2色あることも珍しく、見栄えが良いことも特長です。

子どもに語りかけることを想像しながら書くと、あたたかみがあってやさしい口調になります。しかし読む人によっては、バカにされていると感じるかもしれません。

上司に説得するように書くと、事実や客観的な情報が多めになります。文体も、子どもに向けて書くよりは、堅めな印象です。しかし感情には届きづらいかもしれません。

私はnoteに書くときは「中学生でもわかる言葉で」書こうとしているのですが、自分の届けたい相手にあわせてチューニングしていきます。


きょうは読み手のことを想像しながら書くと、書きやすいし、届きやすくなるよということを書いてみました。よかったら試してみてくださいね。

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ひゃー暑い木曜日!次男がお熱なので、これから看病です。
よい1日をお過ごしくださいね。

小森谷 友美
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