はじめて出会った、じゃがいもシャキシャキ炒め|中国のお母さんの本格中華のつくりかた
中国人の夫のお母さんがつくってくれる家庭料理には「なぜこれは日本の中華料理店にないの?」と思うくらい、おいしくて日本の人も絶対好きだろうなというものがあります。
その「日本にないのを憤るレベルでおいしい中華ランキングNo.1」にみごと選ばれたのが、じゃがいもシャキシャキ炒めです。私調べです。
探せば日本の中華料理屋さんにだってあると思うけど・・・でも、もっと人気が出るはず。家庭料理にだって進出できる。君はまだまだいける!
初めて食べたときのことは、今でも忘れられません。中国人の夫のお母さんがつくってくれた晩ごはんでのこと。
もう8年くらい前かな。まだお母さんとも会ったばかりだったのに、お皿に並びきれないほどの中華料理をつくってふるまってくれました。その中にあった、じゃがいもシャキシャキ炒め。
うん!?じゃがいものくせに、何この都会的な食感・・・!?
それに辛くて、いい感じで酸っぱくて、ビールにめっちゃ合う。
やばい、箸を止められない。どうしよう、食いしん坊ってバレてしまう。
でもそんなことはおかまいなしに、中国のお母さんは次から次へと料理を出してくれました。
このじゃがいもシャキシャキ炒め、中国では「土豆丝(トゥドゥスー)」と呼ばれています。
私はもともとじゃがいもは幼少期から大好きでしたが、当時生きてきた27年間の中で経験した食べ方は、揚げるか、蒸かすか、煮るか、マッシュにするか。そんな中、じゃがいもを細く切って炒めるという、ありそうでなかった調理法がとても斬新でした。
以来、中国のお母さんがつくってくれる料理の中でも、私はとくにこれが大好きです。
出産で入院したときも、お母さんが「何か料理持っていってあげようか?」と聞いてくれたので、思わず「土豆丝が食べたいです・・・!」とお言葉に甘えまくってしまったほど。お母さんは大きいタッパ1個分、つくって持ってきてくれました。まだ温かくて、私は3時のおやつにそれを全部いただきました。
そんな大好きなじゃがいもシャキシャキ炒めのつくりかたを、今回はお母さんに聞いてみました。このおいしさ、日本の人にも体験してもらいたい。特に夏はぴったり。さあさあ、まずは読んで味わってみてください。
●材料は家庭にあるものだけ
●つくりかた
この料理はとっても簡単。でも唯一、大変と言えるのが、皮をむいて切る工程です。そこで3歳の息子の出番です。
「皮をむいてみてくれる?」とお願いしたところ、すかさず手伝ってくれました。私は楽できて、台所育児にもなる。一石二鳥(笑)
じゃがいもをむいたら、薄くスライス。ここも3歳息子に手伝ってもらって、ずぼらかーちゃんはちょっぴり楽ができました。
(これも台所育児といえば聞こえがいいぞ!)
スライサーが家にないって方は、こんな風にピーラーをつかってもOK。スライサーよりちょっと時間かかりますが、薄くスライスすることができます。
そうして薄くスライスしたじゃがいも達を、ちょっとずつ重なるように並べて・・・(ここは、大人がやりましょう!)
ダーッと端から千切りにしていきます。うん、きれいきれい。満足。
そして千切りにしたじゃがいもを、水で洗います。なぜ洗うかって?じゃがいもについている、でんぷんを洗い流すことで、サラッとシャキシャキした歯ごたえになるからです。洗うのも息子の出番です。
洗ったら、ざるでしっかり水を切っておきます。
そしておなじみ、中華3兄弟の登場です。長男にんにく。次男ショウガ。長女ねぎ。みんな仲良くみじん切りー!
そしてこのタイミングで、合わせ調味料も混ぜておいてください。
大きめのフライパンに油を引き、みじん切りにした中華3兄弟と、唐辛子を弱火にかけます。
香りがでてきたら、しっかり水を切ったじゃがいもをぜんぶ投入!
軽く混ぜ合わせたら、そこに水100ccくらいを加えます。こうすることで、シャキシャキの仕上がりに。
水を加えて少しじゃがいもがしんなりしたら、あらかじめ混ぜておいた合わせ調味料を加えます。
汁気を飛ばすように、中火で全体を混ぜながら2分前後炒めます。
味見をして、少し塩気が足りないようなら、醤油を小さじ1くらいずつ足してみてください。そうしてまたサッと炒め合わせ、完成です!(※あまり炒めすぎると、じゃがいもがホクホクになってきてしまうので注意です)
うわぁーできました!自分でこれがつくれるなんて、ちょっと感動。
お皿に盛りつける時は、唐辛子が見えるようにすると見栄えがいいと、中国のお母さんから教えてもらいました。鮮やかな赤がアクセントになって、うん、かわいい。
これですこれ、シャキシャキの食感!ご飯にのせて食べるのもおいしいです。辛さ、しょっぱさ、すっぱさが合わさり、白飯がすすみます。
この「じゃがいも細切り炒め」に出会うまで、じゃがいもを形容する擬態語として私が思いつくのは、「ホクホク」「カリカリ」くらいでした。でもこの「シャキシャキ」のじゃがいもは、それらともまた違って、しかもじゃがいもにしか出せない食感で、やみつきになります。
ああ、このおいしさがぜひ多くの人に届きますように!
ビールは大量に用意してくださいね。それからお米も。
「新しい生活」も、おいしく楽しくいきましょう。ではではまた。
小森谷 友美 (🐤Twitterはこちら)