宗教と差別と人の価値
イラクにいた時は、自分は監督で、
施工担当のフィリピン人が3人と雑工のイラク人が2~3人の班を
3~4班担当して、施工を進めていました。
イラクは戦争中なので、16才以下の子供と50才以上の年寄りしか
仕事にはこれません。
その雑工としてきているイラク人の子供、
自分から見たら本当に子供にしか見えないのですが、
イラクのモスリムらしい物言いをします。
まぁ、16才以下なので子供ですよね。
まず、第一に髭がないので我々を子ども扱いします。
こちらから見たら、
どう見ても産毛にしか見えない髭があるかないかで差別します。
チンポに毛も生えてなさそうな子供が、産毛の髭を自慢するのです。
砂漠ではハエが寄ってきたりするので、衛生的ではないので、
多くの日本人は髭を剃って仕事をします。
そして、モスリムではないので、人ではないと差別します。
モスリムだけが人だと言いきります。
アラーを信じないのは、未開の原始人だけだと。
イラク人に言わせると、
You are not a person .と言うことだそうです。
その未開の原始人の技術(日本の技術)で
イラクにガスプラントを作っているのですが、
そこまで考えが及びません。
これは、イラクの雑工だけではなく、
イラク人のSV(スーパーバイザー)なども同じです。
電気室で、配電設備とMCC(モーターコントロールセンター)の
説明をしているときに気が付いたのですが、
電気のSV(スパーバイザー)のくせに、ブレーカーを知りません。
Mgスイッチや、その単線結線図も読めません。
そのくせ、やたらワールド(世界)はこうだからとか、
ワールドスタンダード(世界標準)はこうだとか、よく言います。
日本人が考える世界は地球儀ですが、彼らが言う世界とは
アラビアのモスリム諸国だけで、
その狭い世界のなかを基準に考え行動します。
それ以外は野蛮な国と切り捨てます。
なので、アジア人差別はとてつもなくひどいです。
アラブ諸国モスリムの考えるヒエラルキーは、
自国民>白人>モスリム以外の中東人>準白人>>>>アジア人
日本人は準白人扱いなので、イラクの高級ホテルに入れますが、
うちのフィリピン人などはホテルで追い返されます。
実際、ホテルのガードマンやベルボーイが日本人やフィリピン人と分かって
差別するのではなく、「お前は何人だ?」と声をかけて、
日本人と言えば入れますが、フィリピン人と言うと追い返され入れません。
見てもわからないくせに差別をするのです。
会議や装置の説明中に始まるのが、フランスのソルボンヌ大学を出たとか、
パリ大学を出たとかの、学歴自慢ですが、よく聞くと理工学部ではなくて、
フランス語学部などの学部で、兵役免除のために出ただけだったり、
よく聞くと休学中で、卒業していなかったりしました。
そのくせ、日本の大学を下に見ます。
イラクのガスプラントでエンジニアやスーパーバイザーとして働くのに
フランス文学部が必要あるのか?と聞いたことがあります。
彼らの答えは、フランスの大学は世界的に有名な大学が多く、
アラビア語でも入学試験が受けれるからだ、と言うことでした。
まぁ、世界的に見てもアラビア語で受験できる大学はあまり無いようです。
一応は、フランスで学んでいるのにも関わらず、
宗教差別は平気でします。
学歴差別も平気でします。
人の価値はその人の生き方じゃないのかと思いますが
彼らには、生まれついての地位と、宗教しか
人と比較できる「ものさし」がありません。
なので、普通に差別を行い、
それを世界(モスリム世界)の標準だと言い切ります。
このような世界もあるのですよね。