2002年 中国龍華のお正月
中国のお正月と言えば、日本の旧正月で、年末からお正月の飾りを龍華では、小学校の校庭や、市場の側の空き地に、お正月飾りの屋台が沢山出て、とても華やいだ雰囲気になります。
多くの工員は地元に帰りますが、地元に戻るほどお金が無かったり、お正月の期間はお給料が300%、三倍になるので、それを目当てに残る工員もいます。
この頃はまだ、工員もそれほど多くなかったので、部下がお正月に帰るのにお金を貸してほしいと言うと、ホイホイ、貸していました。
金額にすると、一人、20元~300元程度なので、数十人に貸していました。
まぁ、旧正月が終わると、帰ってこない工員も沢山いたので、戻ってきてほしいと言う気持ちで、お金は帰らなくても良いかなと思っていました。
(危ないKTVで、一晩、1500元使うと思えば、なに、安いものです。)
多くの部下は、戻ってから、毎月、5元~30元で返済してくれて、最終的にすべての貸したお金は戻ってきました。
「倒福」と言う、お正月の張り紙や、「対聯」と言う門や入口に飾る張り紙などが沢山、売っています。
「倒福」は、「福が逆さまになる」という意味の「福倒了(フー・ダオ・ラ)」が、「福が来る」という意味の「福到了(フー・ダオ・ラ)」と同じ中国語(普通話)の発音だったから、とか、色々、由来があるそうですが、部下との飲み会で、部下に、日本だったら、福がさかさまだと、福が落ちちゃうと考えるよ、と言うと、確かに、さかさまだと、落ちそうな気がすると、笑いながら、でも、ここは中国だから、これで良い、と部下は言い張りました。
「対聯」も中国らしいお正月の飾りです。
門や入口の上、左右に精巧な文字で春節を表現し、願いを懸けるんだと、部下は言っていましたが、そのまま一年を過ごすので、段々、ぼろになります。工場の寮でなければ、風情があってよいのですが、廊下の掃除がふえるだけでした。
工場の入り口には、金柑の木を対で置いてお正月を祝います。
金柑は、広東語(白話)で「吉祥と富をもたらす」と同じ発音なので、「倒福」と同じですね。ただ、広東語なので、金柑は広東地方一帯での飾り物です。そして木の枝には、ご祝儀がくくりつけてありますが、工場では新年に全社員に「紅包」と言うご祝儀を配るので、空のご祝儀袋「紅包」がさげてありました。
この「紅包」と言う、風習はとても面倒くさい風習で、タクシーに乗っても、街で買い物しても、日式KTVで飲んでも、危ないKTVで遊んでも、菜館でご飯を食べても、喫茶店でお茶しても、足裏マッサージのお店でも、「老板、老板、紅包給我!」と言われ、沢山、1元・5元・20元を入れた紅包を、用意しなければなりませんでしたが、段々、街では言われなくなりました。
1元は、あまり行かないお店用で、5元は足裏マッサージや、近所の菜館用で、20元は日式KTVや、危ないKTV用です。
見も知らないタクシーの運ちゃんに、あげたくはないのですが、あげないと乗車拒否されたり、「小気鬼!(ケチ!)」と罵られたりしました。
これも、中国の風習の一つですね。
中国の百貨店もお正月が近づくと、お正月用の品物が並びます。
百貨店は、荷物やサングラスやカメラなどの持ち込みが出来ないので、隠し撮りですね。
段々、慣れてきて、隠し撮りも上手くなりました。