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【第134回】内閣府の2023年版防災白書
質問 内閣府の防災白書について教えてください。
概要
①2023年版防災白書閣議決定
②地区防災計画について
③食料や水の備蓄等が減少
解説
①2023年版防災白書閣議決定
2023年6月16日(金)に2023年版防災白書が閣議決定されました。
白書の特集では、1923年の関東大震災から100年になることから、当時の被害検証を行っています。そして、現在は、東京、神奈川県、千葉県及び埼玉県の人口は、当時の5倍近くになっており、高齢化が進展していることから、災害時の高齢者の心身のケアや避難生活の環境改善の重要性を指摘しています。
また、関東大震災では、行政機関の庁舎が焼失し、初動対応が難しくなる中で、住民同士の助け合いが大きな役割を果たしました。これを受けて、首都直下地震に備えて、NPOやボランティア等も参加した支援体制の構築が重要であることを指摘しています。
さらに、デジタル技術を活用した情報発信の強化、SNS等によるデマへの対応、多様な言語での発信等の重要性についても指摘しています。
②地区防災計画について
制度創設から9年が経過した地区防災計画については、2022年4月1日現在、38都道府県177市区町村の2,091地区の地区防災計画が地域防災計画に定められ、45都道府県333市区町村の5,162地区で地区防災計画の策定に向けた活動が行われているとされています。
また、内閣府が、2021年度中に地区防災計画を地域防災計画に定めた264地区の事例等を分析したところ、①地区防災計画の作成主体は22%が自治会、71%が自主防災組織、②地区内人口は42%が500人以下、62%が1,000人以下、③地区防災計画策定のきっかけは、82%が「行政の働きかけ」であることが判明しました。
③食料や水の備蓄等が減少
内閣府の「防災に関する世論調査」において、大震災に備えた自助の取組について尋ねたところ、「食料や水の備蓄」は40.8%、「家具の固定」は35.9%、「避難場所の確認」は34.5%の回答者が取り組んでいると回答していますが、いずれも、前回(5年前)の調査より減少しています。なお、「特に対策をしていない」という回答者は、13.9%でした。
白書では、自然災害のリスクを認識しつつも、着手の一歩を踏み出せない層が一定程度いることを指摘しつつ、国民が取組に着手するためのきっかけづくりの必要性について指摘しています。