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【第181回】【モデル地区紹介⑥】三重県大紀町錦地区
質問 三重県大紀町錦地区の地区防災計画づくりについて教えてください。
概要
①22・23年度のモデル地区
②地域特性
③取組状況
解説
①22・23年度のモデル地区
三重県大紀町錦地区は、地区防災計画学会の22年度・23年度のモデル地区になります。
担当教員は、中世古二生岐阜県立看護大学非常勤講師です。
特徴的なのは、自主防災組織がない中で、地区防災計画づくりを進めた点です。
②地域特性
当該地区の人口は1,565人で、世帯数は827世帯になります。また、高齢化率は54.7%で年々増加しています。
主要産業は漁業です。
1944年の昭和東南海地震による津波で、死者64名流失家屋255棟を記録しました。
そのため、地区防災計画づくりに当たっての想定災害は、南海トラフ地震であり、津波による死者数は約1,200人と予測されています。
当該地区の一体感は強く、祭りや地域活動が継続していますが、少子高齢化の進展により、活動は衰退傾向にあります。
③取組状況
地区防災計画づくりに当たっては、大学教員でもある町の防災担当職員OBによる支援が大きな影響を与えています。
自主防災組織という地区の防災活動の受け皿のない地区ですが、地区防災計画への理解の深め方をテーマに地区防災計画づくりを検討しており、多様な主体(団体)やコミュニティと繰り返し議論を行い、そこで得られた情報や要望を整理しています。
具体的には、地区の連合町内会長や自治会長にヒアリングを行ったり、地区の婦人会、青年会、地域おこしグループと地区防災計画の勉強会をしました。また、大紀町商工会婦人部からの招聘による防災対策勉強会も行われました。
これらの機会に得られた知見を整理しつつ、団体間の協力関係を地区防災計画を用いて強化するように検討が進められています。