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【第225回】産経新聞「備えあれ」に地区防災計画学会関係者のコメント掲載


質問 産経新聞「備えあれ」に地区防災計画学会関係者のコメントが掲載されたんですか。

概要

 ➀産経新聞「備えあれ」に地区防災計画学会関係者のコメント掲載
 ②矢守会長・生田幹事のコメント
 ③西澤企画官のコメント

解説

➀産経新聞「備えあれ」に地区防災計画学会関係者のコメント掲載

 1995年の阪神・淡路大震災や2024年の能登半島地震等を踏まえて、2025年1月1日から産経新聞に連載されている「備えあれ」の記事の中では、地区防災計画学会関係者のコメントが掲載されています。

②矢守会長・生田幹事のコメント

 矢守克也会長(京都大学教授)は、被災地にかけつけてくださるボランティアの方々のコーディネーション(調整)の重要性を、生田英輔幹事(大阪公立大学教授)は、密集市街地での地震に伴う火災等に備えて、耐震化や不燃化を進める重要性について指摘されています。

③西澤企画官のコメント

 また、、地区防災計画チャンネルでは、2024年の能登半島地震の際に、能登町鵜川地区のコミュニティで、地震による家屋の倒壊はあったものの、共助によって住民が相互に助け合うことで、住民全員の命が助かった事例(金 2024)を紹介しましたが、この事例に関する西澤雅道内閣府企画官のコメントもされています。
 個人的な見解と断った上でのコメントでは、当該事例について、住民が主体となって、東日本大震災後に津波ハザードマップを見直したり、避難訓練を繰り返し、コミュニティの人間関係を構築していたことが、いざというときに住民全員の命が救われる大きな要因となったと考えられる旨を指摘しつつ、「人間関係の再構築」を条件として、都市部でも共助による防災活動が「可能なはず」と、都市部でのコミュニティの防災活動の活発化の可能性について指摘している点が注目されます。
 この個人的な見解の背景には、地区防災計画学会で報告されている都市のマンションコミュニティでの防災活動を契機としたソーシャル・キャピタルの醸成や、地区防災計画づくりの事例等に関する研究があるものと思われます(室﨑ほか 2022)。

文献
・2025年1月5日『産経新聞』「つながり希薄化も息づく「助け合い」 日頃の人間関係が培う共助、都市部も地道に再構築を 備えあれ④互助力」.

・金思穎,2024,「特集② 能登半島地震でのコミュニティの共助による防災活動」『(内閣府)広報誌ぼうさい』(110).

・室﨑益輝・矢守克也・西澤雅道・金思穎,2022,『地区防災計画学の基礎と実践』弘文堂.

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