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【読書感想文】学校では教えてくれない大切なこと2 友だち関係~自分と仲良く~

旺文社から出ている小学生向けの学習書シリーズ『学校では教えてくれない大切なこと』の第2弾、『友だち関係~自分と仲良く~』を読みました。
マンガ・イラストは藤 美沖さん。

実は私、この本のタイトルが「友だち関係」であるというところまではもちろん読む前から認識していたのですが、「自分と仲良く」というサブタイトルが付いていることに気がついたのは読み始めてからでした。
前半はほとんど友だち関係についてではなく自分の気持ちについての解説などが書かれており、「友だち関係の本なのに…?」と違和感を感じたので表紙に戻って確かめました。
すると「自分と仲良く」とサブタイトルが付いていて、「あぁ、どうりで…」と納得しました。

つまりこの本の主旨は、自分のことをよく知り、自分と仲良くなることで友だちとも仲良くできるということです。

自分と仲良くなる方法について、もういい大人なので分かり切っている内容も多く、テンポよく読んでいたのですが、実はひとつだけ涙ぐんでしまった箇所がありました。
自分でも戸惑いましたが、どうもマンガ形式で登場人物やストーリーが描かれていると、大人でもうっかり感情移入してしまうことがあるようですね。
私が何に感情移入したかと言うと、「助けてほしい」と言えないフトシくんの話です。

ある日、おばあちゃんのお見舞いといきもの係の当番の日が重なってしまいます。
当番としてウサギのエサやりと小屋の清掃をやらなければならないのですが、お母さんから早く帰ってくるように言われているので、到底すべてをやり切ることは出来ない状況です。

フトシくんは人と話すのが苦手で、誰かの助けが必要な時でもそのことを誰にも言えず、一人で抱えこんでしまうタイプ。
そのため、この状況を一人で何とかするしかないと考え、小屋の清掃は明朝早く登校してやることにし、エサやりだけをして帰ることにしました。
すると、なんと小屋の汚さにストレスを感じたウサギが脱走してしまったのです。

さすがにこれは、もうフトシくんだけでは手に負えない事態ですが、自分のせいなのだからと一人でウサギを捜すフトシくん。
そして、逃げたウサギが校長室で暴れてしまうシーンで締めくくられます。

なぜ私がこれを読んで涙ぐむのかと言えば、私にも同じような経験があるからということに尽きます。
私もフトシくんのように、人と話すのが苦手ですし、人に助けを求めることもなかなか出来ません。
ですから、解説のページで4つある見出しのうちの2つ、「困っていることを知らせよう」と「助けてもらっても大丈夫」については、深く頷きました。

ただ、3つ目の「人からたよられるのは結構うれしい」という見出しについては、私は心から同意することが出来なくて、「嬉しい時もあるし、嬉しくない時もある」と思ってしまいました。
基本的には本の言うとおり、人から頼られると嬉しいものですが、自分に余裕が無い時に頼られてしまうと、嬉しいどころか負担に感じてしまうことがあります。

そして自己嫌悪に陥りかけたところに、さらにたたみかけてくるのが4つ目の見出しで、「自分も人を助けられるようになろう」というものでした。
なるほど。
私は普段の暮らしの中で人を助けられる状態であることがほとんどありません。
人を助けられる人が人にも助けを求められるのだと、ここで思い知らされました。

フトシくんのように話すのが苦手でも、頼られて嬉しいと感じられる人は、人にも頼ることができるでしょう。
私が助けを求められないのは、話すのが苦手だからというだけではなく、実は自分が助けを求められたくないと思っているからで、単にそれの裏返しなのだと気付かされました。

ではどうすれば人から頼られて嬉しいと感じ、人を助けられるようになれるのでしょうか。
その答えも、結局この本のテーマである「自分と仲良く」というところにありました。
自分のことをよく知り、自分の心とうまく付き合う…すなわち「自分と仲良く」できていれば、様々な自分の良くない状態が解消され、人から頼られて嬉しいと感じられる自分になれるはずです。
そうすることで、頼ることも頼られることもできる良好な「友だち関係」が築けるのだと思います。

このように、最終ページに書かれている「自分自身と仲良くなれたら、もう大丈夫。友だちとも、きっと仲良くできるよ」という言葉の意味を、この本は一冊を通してしっかりと私に教えてくれました。

最後に。
私は上述のフトシくんに特に感情移入しましたが、実は他の登場人物たちにもそこそこ感情移入しています。
この本の登場人物たちは、みんな個性的だけど、みんなどこか共感できる部分があったからです。
世の中にもいろんな人がいて、自分と違うのは当たり前だけど、もしかしたら自分と共通する部分もあるかもしれません。
その人たちと良い関係を築きたいと思ったら、この本で学んだ通り、まずは自分と仲良くできているかを自分に問いかけてみたいと思います。



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