社会をつくる力を育てる授業づくり50 未来の食料生産を考えるプロジェクト〈2〉
実際のプロジェクトの進め方を書いていきます。
課題発見の場面では、食料生産の現状について知るところからスタートします。
普段どのような食事をしているのか、その食事に使われているのはどんな食材か、その食材はどこで作られたものなのか、を調べていきます。
産地調べをするなかで、日本ではどのような食料が生産されているのかが見えてきますし、中には国産ではなく外国産のものもある、ということが見えてくると思います。
これは、食料自給率の問題として、社会の中でも大きな課題として認識されています。
この、食料自給率の問題は、これからの食料生産の問題を考える上で大きな課題になると思います。
この問題を切り口に、プロジェクトをスタートさせるのが良いのではないかと思います。
課題追究の場面では、それぞれの食料生産の現場について追究していきます。
前回の記事で書いたように、今回のプロジェクトで取り上げる内容は、稲作と他にもう一つとなっています。
この2つの食料生産の現場について、生産の工夫や努力、作られたものが消費地に届くまでの流れなどを追究していきます。
追究していくなかで見えてくる新たな課題もあるでしょう。
例えば、消費量が減っていることや、それぞれの産業に従事する人の数が少なくなっていることです。
これらの課題を解決するために、それぞれの産業に従事している人たちが今現在取り組んでいることについても追究します。
こうして追究したことをもとに、未来の食料生産について考えていきます。
提案・参加の場面では、未来の食料生産がどうあるべきか?ということを構想していきます。
例えば、稲作を持続可能なものにするために、様々な活用方法や効率的な生産方法を考えます。
水産業においても、資源の維持や、消費量の拡大について考えなくてはいけません。
畜産や酪農においても同じようなことが言えると思います。
こうして、各産業における課題について、子どもたちの視点で解決策を考えていくというのは、大人にはない新しいアイデアを生み出すという点でも有効な方法だと考えています。
このあと、工業や情報産業について学ぶ際にも生かせる視点です。
このような流れでプロジェクトを進めてみるのはいかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。