社会をつくる力を育てる授業づくり44 5年生の社会科
今回から、5年生の学習に入ります。
4年生から5年生に上がる時に、社会科は大きな壁に当たると考えています。
それは、地域学習から国土についての学習に入るからです。
学習対象がだんだんと自分から離れていくことで、関心が少し遠くなってしまうことや、調べる対象として物理的に距離が離れてしまうことにより、学習への意欲が低くなってしまうことがあるからです。
そこを乗り越えていく鍵も、今回書き続けているPBL=プロジェクト型学習なのだと考えています。
では、5年生の目標について考えていきたいと思います。
まずは、学習対象ですが、(1)に書かれているように、国土の地理的環境の特色や産業の現状,社会の情報化と産業の関わりになります。
主に地理的な内容になっていて、これまで3・4年生の身近な地域の学習、都道府県の学習で養ってきた見方を使って国土の様子を読み解けるようにしていきます。
調べ方の技能として、地球儀を使うことや、統計などの資料をこれまで以上に活用できるようにしていくことも求められています。
また、情報を適切にまとめ、という文言にもあるように、多種多様な情報の海から、自分が必要な物を正しく取捨選択できるようにするスキルも求められています。
(2)の、思考・判断・表現の目標についても、多角的に考える力や、説明したり議論したりすることが求められています。
説明や議論は、文部科学省の教育課程部会の中に置かれた、学習指導要領の改訂に向けた社会・地理歴史・公民ワーキンググループでの議論において、次のような図で説明されています。pdf内の資料4です。
考察、構想、説明、議論の順で書かれていて、5年生の目標から、説明の文言が出てきます。
これを解釈すると、4年生までは、社会に見られる課題の解決策について、こういう案があるよ、ということをそれぞれが考えるところまでで良いのですが、5年生からは、それぞれの案について説明したり議論したりする場をつくり、みんなで意見を交わすことをやっていく必要があるということです。
(3)の学びに向かう力・人間性については、我が国の国土に対する愛情という部分と、我が国の産業の発展を願いという部分、我が国の将来を担う国民としての自覚という3つのことが書かれています。
産業がより発展するように考えるプロジェクトや、日本の将来を考えるプロジェクトを考えていきたいと思います。