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数字だけに一喜一憂しない【全国体力・運動能力、運動習慣等調査】

https://www.mext.go.jp/sports/content/20241217-spt_sseisaku02-000039139_02.pdf

令和6年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が公表されました。全国の小学校5年生と中学校2年生を対象にして行われる調査で、体力や運動能力だけではなく質問調査も行われるので、授業改善に向けて指針ともなります。報道等で話題になるのは、以前に比べて体力が上がったとか下がったとか、どのような数字のところが着目されやすいので、そこだけではなく、生活習慣と運動との関わりだったり、体育の授業改善に資する部分に着目して報告書を読んでいきたいと思います。

スクリーンタイムの増加


学習以外でテレビやゲーム、スマホなどの画面を視聴する時間は年々増加傾向にあります。生活様式が変化していますので、これは当然の結果といえます。最近の子供たちは、YouTubeなどから情報を得ている子が多いです。1日に5時間以上スクリーンタイムがある子の割合は2割近くに達しています。こうした子たちが活字に触れたり、実際に体を動かしたりする楽しさを味わせることができるのは学校教育の使命の1つでもあると思います。


体育の授業におけるICT活用

体育の授業は、実技の教科であるため、体を動かす運動時間がどれだけあるのかと言う側面で評価されることが多いです。しかし学習指導要領で示されている資質、能力の3つの柱は、技能だけではなく知識や思考力、判断力、表現力なども求めています。ただ運動ができる方育てるのではなく、考えながら運動をして、その結果、生涯にわたって、運動に親しむ態度を育んでいくと言うのは、教科体育に求められているところではないでしょうか。
そのような意味でICTを効果的に活用して、体育の授業改善に役立てていくと言うのは必要なことだと考えています。ただ、体育の本質はあくまで体を動かしていくことになると思いますので、ICTの活用が中心になるのではなく、より良い授業していくためのスパイスとしてのICT活用が求められているのではないかと考えています。調査では週に1回以上、の活用が4割程度、月に1回程度の活用が3割と全体の7割での活用にとどまっています。GIGAスクール構想で端末の整備を行われていますが、校庭や体育館など活用するイメージは、まだまだ広がりきってないという所でしょうか。動きの撮影と言う活用方法が1番多い調査結果になっています。撮影自体は端末さえあればインターネット環境が必要ありません。ただ撮影するだけではなく、巻き戻し再生やコマ送り再生など、動きを分析するのに役立つアプリ等を搭載しているとより効果的な活用ができるんだと思います。単元を通した学習を意識する中では、学習のポートフォリオとしての端末の活用がこれまで以上にされていくと言うのではないかと思います。教科書やノートの活用が他の教科に比べて少ない教科なので、端末の可能性というのは非常に大きいと思います。

おわりに

このような調査を、やらなければいけないものとしてだけで終わるのではなく、授業改善に資するものとして役立てていくって言う事は、教員としてやらなければならないことだと思います。これは全国学力学習状況調査も同じですね。報道で結果の数値の概要だけを知るのではなく、きちんと元データに当たって改善に役立てていきたいと思います。

今回は、全国体力・運動能力、運動習慣等調査から考えたことを書きました。最後までお読みいただきありがとうございました。ご質問やご感想はコメントいただけたら嬉しいです。

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