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お子さんの反応で授業の流れを決める


学年内での授業交換を実施しているので、昨日に引き続き今日も他のクラスで「雨のバスていりゅう所で」の授業を行いました。

範読のあとに、子どもたちに感想を聞いてみると、やはりなぜよし子がお母さんに怒られたのかよくわからない、と言っている子が一定数いました。

そこで、タバコ屋の軒下に待っていたよし子が、バスが来るのを見てバス停に1番に並んだ行動が、良かったのか悪かったのかということについて、まず議論しました。

一般的な常識や、前後の状況から、バス停の近くにあるタバコの軒下にいる人たちは、バスを待っていると考えるのが普通です。自分が来るよりも、先に、そこに人がいれば、その人たちはバスを待っているのだろうと想像するのです。

しかし、よし子はバスが来たときに1番に飛び出し、バス停に並びました。他の人たちの様子を見ると、ぞろぞろとバス停に並び始めたので、やはりタバコ屋の軒下にいた人たちは、バスを待っていたと言うことになります。しかしよし子に対して文句を言ったり、怒ったりする人はいませんでした。周りの人たちは、どのようによし子のことを認識していたのでしょうか?

よし子の行動が良いか悪いかを検討した後、お話の中でよし子がお母さんの顔を見て考え始めたシーンについて、何を考えていたのかを問いました。

先程の議論は、結末を出したわけじゃないので、よし子の行動が悪くないと考えていたお子さんたちは、黙っているお母さんをみているよし子はまだ納得いっていないのではないかと考えているお子さんが多かったです。

このお話の一般的な解釈としては、よし子が周りの人に迷惑をかけたことに気付き、自分の行動を省みていくと言う流れです。しかし、今の状態でこの流れに持っていくと、はじめに答えありきの学習になってしまうのではないかと考えました。ですから、そこでも議論をすることを大切にしました。

自分の生活経験からた得た考えが、いつも絶対に正しいとは限りません。道徳の学習の話し合いを通して、多様な価値観に触れることができれば良いと考えます。

今回は、お子さんの反応により授業の流れを組み立てる道徳の授業について書きました。最後までお読みいただきありがとうございました。ご質問やご感想をいただけたら嬉しいです。

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