社会をつくる力を育てる授業づくり⑧ 自分のまちを紹介するプロジェクト<2>
前回の続きで、探検に出て見つけた情報も合わせて、紹介するためのものをつくっていきます。
紹介するためのものは、子どものそれまでの学びの履歴が重要になります。
国語科の学習が中心になると思いますが、言語活動を通して、様々な作品作りの経験をしていると思います。
教育出版の教科書では、1年生で
①手紙にかく
②カードにまとめる
2年生で
①日記に書く
②クイズをつくる
③はじめ・なか・おわりのまとまりのある文章に書く
④色や形,大きさごとにまとめたり,似ている物と比べたり,絵やマークで表したりして様子が伝わるように書く。
⑤順序を考えて説明書を書く。
といった活動を経験してきています。
これらの経験をもとに、自分たちがまとめたい方法で市の様子をまとめる活動をします。
国語科でも同じですが、前回の記事で述べた通り、相手意識を持った作品作りが重要だと考えます。
自分たちのあたりまえが、相手の当たり前ではない。そんな意識をもって言葉選びや資料選びをするようになってほしいと思います。
作品作りが終わったら終わりではありません。
本授業づくりは、社会をつくる力を育てることです。
社会参画へとつながる社会科授業づくりですので、プロジェクトの最初に意識した通り、自分たちがつくったものを提案する場をぜひ設けたいと思います。
提案と言っても、相手に直接プレゼンできる場があればよいですが、いつもそうとは限らないと思います。
そのときは、自治体の観光案内所においてもらうという方法もあると思います。
誰かの役に立っている、そんな意識を持たせることが、社会をつくる力とつながるのだと思います。
さて、このようなプロジェクト型の学習では、全体としての成果は見えるものの、子ども一人ひとりの学びがどうなっているのかが気になります。
当然成績をつけることになりますので、全体の成果物だけでなく、個々の見取りが重要となります。
次回は見取りについて考えたいと思います。