企業改革を成功させるには、『ボトムアップ』&『称賛のマネジメント』しかない。
『トップダウン』は経営側の職権なのかプライドなのか分からぬが、殆どの中小企業経営者は自信満々に『トップダウン』に酔いしれている。
昨年のニュースで感銘を受けたものの一つに、帝国ホテル社長の英断があった。全スタッフから届いた数千通の提案、アイデアを全て具現化すると宣言。スタッフを心から愛する社長として、スタッフのリアクションに感涙ものであったろうし、スタッフもまた、社長の背中を見てついて行くぞと決意したに違いない。
3年以上も続くコロナ禍での重大局面において、『ボトムアップ』を宣言し、一人一人のスタッフのメールに目を通す姿が目に浮かぶ。これこそ、同ホテルの社長の志を『経営者の鑑』として受け止め、感じ入ってしまった。
「プロとして長年やっているから、俺は、お前たち二、三年の鼻垂れ小僧じゃないぞ。その鼻垂れ小僧に何ができる!?」と上から目線のホテル経営者やその役員たちを知っているが、傲慢極まりないとしか言いようがない。
長年やるのは、プロとして当たり前のこと。しかし、それを目指す若者を頭から見下すものではない。勤務数ヶ月の人間でさえも、磨けばその傲慢なる経営者を、僅か数年で追い越す能力を秘めている若者も多い。
上述のように、スタッフの提案を頭から否定する経営者が多いが、それこそ、企業の成長は一瞬にして滞る。『日々変化、日々進化。』(筆者語録の一つ)とは程遠く、企業全体が萎縮し、急激に底無し沼へズブズブと引き摺り込まれてしまう。
標題の通り、企業改革の起爆剤となるのは、『ボトムアップ』の環境を整えることが先決。自由な発想により、日々『ブレーンストーミング』の機会を与え、その中から『秘策』を見出し具現化することで、初めて企業改革が動き出す。
過去の栄光はどう叫んでも戻っては来ない。今と未来が重要であり、過去の実績を大上段にて振り翳したとしても、未来を描く周囲の人たちの心には響かない。それより、今と未来を見据えて、『ボトムアップ主義』の企業に育てる方が、企業は圧倒的に健全なる道を歩むことになる。
最後に、『ボトムアップ主義』の企業に育てるには、『称賛のマネジメント』が企業内に浸透しなければ、言葉だけ、形だけで終わってしまうことも肝に銘じておくべきである。
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