人間だけが持っている世界
ご存知ですか?
認知行動療法ACT(アクト)を学んで、最初に聞いたお話です。
ACTのいうところでは、2つの世界。
1)物理の世界・・・苦痛
その苦痛とは、欲求不満・落胆・拒絶・喪失・失敗・病気・老化・怪我・死・恐怖・悲しみ・孤独感・怒り・ショック嫌悪感などといった身体感覚から生まれるもの。
2)言葉の世界・・・苦悩
言葉によって、いとも簡単に今ここにない現実をつくり出すもの。
動物の中で、人間だけが物理の世界と言葉の世界の両方を持っていて、言葉があることで苦悩が生まれるということです。
動物の中で自殺するのが人間だけということをみると納得ですね。
前に、私はこの話を最初聞いたときに、ふっとマズローの欲求5段解説のピラミッド図が思い浮かびました。
皆さんは、マズローの欲求5段解説のピラミッド図を見たことがありますか?
どうしたら健康で豊かに意義ある人生を送れるだろう?
と考えたとき、私はこのピラミッド図がシンプルに語ってくれてるな〜と思っています。
マズローの欲求5段解説は、心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したものです。
人間には5段階の「欲求」があって、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を、わかりやすく表したものがピラミッドの図です。
ピラミッド型ですので、下層がより大きいことで高い安定性が得らます。
もし下層のエリアが満たされていない状態としたら、ピラミッドは
とても不安定な状態になります。
不安定な状態になると、「飢え」「渇き』が生じて、安定させるために満たしたい!となるのは自然なこと。
この5段階欲求ですが、
1番下層の生理的欲求は、食欲・排泄欲・睡眠欲などが当てはまり、生きていくために必要な基本的・本能的な欲求で、生命の維持をするのに不可欠なもの。
当たり前といえば当たり前ですが、生きるために最も優先すべきことです。
2段階目の安全欲求は、安心・安全な暮らしへの欲求を指します。不慮の事故などに対するセーフティ・ネットなどはこれを満たす要因になります。
人はネガティブな情報に敏感にできています。その理由は、ネガティブな情報に敏感だからこそ危険を回避することができ生き延びてきたからです。安全・安心を得るための知恵として、ネガティブが備わったといえます。
3段階目の社会的欲求は、集団への帰属や愛情を求める欲求で、「愛情と所属の欲求」あるいは「帰属の欲求」と表現されることもあります。
動物の世界でみると、人間はとても弱い生き物です。
弱さを補うために群れること、集団でいることで、守り守られ生存確率が上がります。
4段階目の尊厳欲求または欲求は、他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求です。
これは第3段回目の帰属欲求が前提となるのですが、集団の中で注目され、必要とされることは、安全欲求と社会的欲求を強化できるからとみることもできます。
欠乏欲求は、人類が長い歴史の中で、経験を経て学び記憶し伝承されてきたモノが土台にあるので、強大な力を持っています。
言葉の世界では、今現実に起こっていない過去や未来を繰り広げることができます。
だから、幻想の世界の中で、翻弄されることが多く、不安や恐怖、後悔や罪悪感などに囚われてしまうんでしょうね〜
言葉の世界が加わることで、問題や悩みをさらに複雑なものにしてしまいます。
身体の感覚=今
マインドフルネスですね。
感情の揺れからちょっと距離をとって眺めることが楽にできるようになります。
そういう意味でも、タッチファミリーケアは、生きやすくしてくれるものですね。