朝の海─境目のない世界
東雲色の世界。
春はあけぼの、だ。
ピンク、黄色、青…
表現するには
私が知る色名だけでは
追いつかないような色彩が
目の前に広がる。
二度と出会えない
その空のパレットを、
脳裏に焼き付けたくて
目を閉じてみる。
色に見惚れるあまり
感じていなかったわずかな風が
私の頬を優しく撫で
目の前の波音と
少し先の波音の輪唱が
私の耳に届く。
自然はグラデーション。
そこに境目はない。
だから人間は
こんなにも癒やされ
美しいと感じるのかもしれない。
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