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食べちゃいたいほど好きなんだ。
森や雑木林へ行くとカブトムシのベッドなる人工の囲いがいくつもある。そこはわざと落ち葉が堆積してあって、人間の目論見通りちょっと掘ればカブトムシの幼虫がわんさかでてくる。朽木が必要なクワガタと違って、落ち葉が腐葉土になれば生きていけるのがカブトムシである。その飼育難易度は著しく低いといってよい。そんなわけで至る所でカブトムシのベッドがあるわけである。
先日森を散歩していたら、傍らにある畑で仕事をしていたひとにカブトムシの幼虫はいらないかと声をかけられた。子どもといるとよく声をかけられるのだ。みればやっぱりカブトムシのベッドがあって、ちょっと掘っただけでまるまると太った幼虫が顔を表した。息子はあまりの愛おしさに頬ずりをして、畑のひとを怯えさせる。
いくらでも持っていっていいよと言われたが、丁重にお断りした。自然の中で育つのが一番いいに決まっている。そして夏になったら虫取りを楽しませてもらうのだ。そのほうがずっと楽しいじゃないか。真夏の夜の森を知っている息子もそれに同意して持っていた幼虫をそっと土の中へとかえしてやった。大きくなって出てこいよ。
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