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息子の愛
「ねえ、見ないで。こっち見ないで」
息子がテーブルでなにか描いているらしく、見ないでと言われてもそこで描いていたら見えちゃうだろと言ったけど、それでもテーブルで描くことにこだわって、ただ見ないでを連発するから仕方なく目をそらして自分のマグカップに麦茶を注いで去った。
ぼくが自分のPCに向かってぼんやりしていると息子がやってきてお父さんこれあげると紙を手渡した。みればルノーのカングーのイラストである。
「お父さんが好きな車を描いてあげた」
そうかそうか上手だねえ。よく描けてるねえ。ありがとう大事にするよ。
とぼくは言ってそのイラストをしげしげと眺めた。
我が家にはカングーはおろか自動車そのものがない。
こんな車があったら素敵だろうねえと話していて、どうせならカングーがいいなと言ったことはあった。それを息子は覚えていて、一生懸命イラストを描いていたのである。
こんな絵をくれたには前触れがある。
遡ること数時間前に、息子はぼくに対して暴言を吐き、悪態をつき、声がかれるほど泣きまくったのであった。その自分なりの反省だろうか。さっきはごめんねという意味もたぶんに含まれているのだろう。不器用ではあるが素直である。
ありがとう。とっても嬉しいよ。
この絵は飾っておくね。
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