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先生、朝顔はぼくが育てました。

咲くものがあれば、枯れるものがある。
娘の朝顔はぼくがせっせと水をやっているので元気だ。
ついでに剪定もしているので花のつきがいい。
今朝もよく咲いていた。植木鉢から3本生えていて、それぞれの花は色が違う。
ひとつに白縁に赤紫というのがあって、浴衣の柄になりそうな色合いである。
 
昼顔が雑草扱いなのに朝顔は鑑賞目的で育てられているのは、その花の色合いが様々で美しいからなのだろう。それから朝しか咲かないというのも極めて日本人が好きそうな設定である。日本人は儚いものがなにかと好きではないか。桜しかり。
 
もっとも朝顔は確かに朝しか咲かないが一度きりというわけではなくて、何日か咲いたり閉じたりする。それから一斉に咲く桜と違って五月雨に咲くからかなり長い期間花を楽しむことができる。
 
お父さん水やっておいてね。
 
娘は半ば命令口調でぼくに言う。言われなくたってやってるよと内心思いながら今日もせっせと朝顔に水をやる。先生、朝顔はぼくが育てました。

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