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どうぶつモチーフについて考える
こんばんは、ちいさなかべかざりです。
つい数日前まで“あけましておめでとう”というあいさつがあちこちで飛び交っていたような気がしたのに、もう1月の終わりがそこまでやって来ていることに驚きを隠しきれません...
それでも、ふと外を眺めると年末年始よりも1時間くらい日が長くなっていることに気づいてちょっぴりうれしくもなりました。
うれしいことは連鎖するもので、ほんの息抜きにと刺し始めた刺繍が新しいブローチへと生まれ変わりました!
これまで何度かお仕立てしたものの定番化することはなかった“どうぶつ”モチーフのブローチ。
リアルさを忠実に再現するのか、デフォルメを用いてキャラクターのような可愛さを推していくのか...
“どうぶつモチーフって奥が深くて難しいなあ”と思い続けてきました。
目や鼻、口、顔のパーツの仕立て方によって表情が大きく変わること自体に苦手意識もありました。
普段オーダーをお受けしている“ちいさないきもの刺繍”はお客さまよりお預かりした写真を元にお仕立てしていくので、わたしにとっては常にお手本がある感覚です。
なので制作時の心持ちがちがうのかな?と思っています。
加えて年末以降はオーダー作品をお仕立てする時間が長く、ちょっぴり制作に行き詰まりを感じていました。
全体の色合わせや刺繍のバランス、そして何よりもお客さまより事前にお預かりしたご要望をしっかり反映できているか...などを考えると思っている以上に時間とエネルギーを使うものですね。
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そこで、息抜きにと12cmの刺繍枠いっぱいに図案を写しました。
まずは何に仕立てるかを考えるわけでもなく、“まっさらなパレットに絵の具を広げるように、その時々にピンときた色合わせで刺繍部分を仕上げてしまおう!”と。
刺繍糸はひとつのメーカーだけでも500色もあるもの。
ほんとうに存在する色合いではなくても“刺繍そのものを楽しもう!”と駆け回るうさぎを4羽並べて、直感で選んだ糸でサクサクと刺し進めました。
これまで ちいさなかべかざりでは“ふっくらころんと、柔らかくてまあるいものたち”という言葉を添えてたくさんの方の元へブローチをお届けしてきました。
今回お披露目したシリーズでは、ふっくらころんとした風合いは “縁かがり”ではなくて図案から描きおこしたモチーフそのもののシルエットで表現できたら良いなと思っています。
普段お仕立てしているブローチは淡くくすんだ色合いと、ふっくらころんとした佇まいから“砂糖菓子みたい”と言っていただく機会が何度かありました。
どうぶつモチーフのブローチも、ちいさなかべかざりらしい色合いや佇まい、そしてさまざまな受け取り方をお楽しみいただけるように抽象的な部分も大切にしていけたらいいなと思っています。
最後に、お仕立てについても少しだけ紹介しようと思います。
裏地は接着のみでも十分ではあるのですが“少しでもながくお使いいただくには?”という点を考えてひと針ずつ縫い付けています。
また、刺繍面と裏地の間には2種類の芯材を挟んでいるので適度な厚みと固さを保っています。
“使っているうちによれよれになっちゃった...”という可能性をなるべく減らすことができたかな?と思っているので、ぜひぜひお手に取ってご覧くださいね。
“新シリーズとしてご紹介したからには...!”と、現在はうさぎ以外のモチーフもゆっくりお仕立てしています。
完成を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
すっかり長くなってしまいましたが、今回のnoteではちいさなかべかざりの新しいブローチのご紹介をお送りしました。
最後まで目を通していただきありがとうございます。
次回の更新は2月4日(金)ごろを予定しています。
週末のまったりタイムのお供に、ぜひまたいらしてくださいね。
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