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一輪 一日一詩vol.58

一輪の百合を買い
キッチンに活ける

開こうとする花片は
上を向く薄い桃色に
血管のような紫の線が浮き出て
見るものを惑わす
誇り高き花

一輪を挿す
心は美を求めていた
花 生活 凛として
百合の香り
甘く惹きつける

一輪を飾る
瑞々しい切り花
日が沈む
太陽がなくなる

一番に知らせたい
夜が辺りを包むまで
百合は水 いのちの輝き
心に咲かせる言葉が
ここに在る

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