労働者文学93号掲載【Therapy】
労働者文学93号にて
労働者文学賞2024の結果発表があり、
詩 【Therapy】 森下千尋 佳作
で掲載されました。
ありがとうございます!!
歴史ある賞の末席に加えて頂いたことに深い喜びを感じるとともに、
これからも生きていく上での感情を、ひたむきに創作へとぶつけていこうと
思う次第でございます。選考委員の皆さま改めて感謝申し上げます。
選評
〇小澤康秀氏
現代病を癒すドクター、神経症もかくれた労災か。
〇楜沢健氏
「皿を洗う」同様(有原悠二氏佳作作品)、ここにも「手」が出てくる。
「俺の右手 識別不可能なコードネーム労働者」。その手に触れる。
手から読みとれる「滞る血液」。心身の乱れ、汚れ、傷の感触、手ごたえ。
ニューエイジ風のセラピー、癒しがテーマだが、手をつなぐ、読みとる、感じる、呼応するイメージひとつひとつに照らされて、セラピー(治療、世直し、連帯)の印象がぐっと膨らむ。
Therapy
昨日と同じような今日を生きてるオマエに触れる
俺の右手 識別不可能なコードネーム労働者
だとしたら呼びかけるフルネーム応答しな
社会的にみた地位とか立場より 目の前の身体の緊張がすべて
物語る日々のストレス自律神経の乱れ
聴こう
職場のしがらみが憂鬱をナビゲート忙しさが増して人手が足りねえと
味気ないメシ独りで噛む午後 幸せってやつは一体どこ
滞る血液 冷えやむくみ頭身体ばらばら
もう誰とも関わらん
なんてウソばかり一日をやり過ごしてる
健やかになりなと足ツボしてく
やあ こちらセラピスト
びくともしない凝りとハリ
バリカタ 解けたときに変わっていく在り方
確かなものは身体の感じ方
がんじがらめ 短時間じゃダメ タイパとか言うのはイヤ じっくりと向き合おう
まずはここまで来れた事に感謝ありがとう
うつぶせで休んでリラックスして旅立とう
現代社会速くなる呼吸のビート
なくちゃダメですか未来へのヴィジョン
ググッて答え出す
なのに無くならない問題は
見つめ直せ本来のオマエ
灯台下暗し身体性backagain
暖める末端から満タンへ
気血水流れ 巡りだせば変わる眺め
別にいいんじゃねえのありのままで
今だけは力抜いて 心身体繋がる
無駄がある 良いじゃない 余白に満ちる
無意識がフォーカス当てる色彩帯びたイメージ
が開いていくよ新しいステージ
停まる道chill 意味はない
ただ歌がある therapy 生まれて 流れて
比べ ずに掴めば いい 内側の世界 daylight