車椅子ユーザーJリーグ観戦記【川崎フロンターレ/等々力陸上競技場】

「記事作成にあたっての最終観戦;2023年2月」
健常の頃から川崎フロンターレサポーターでしたが、病気になり車椅子ユーザーになって、一旦サッカーの現地観戦を諦めた後、サポーター仲間の手助けにより、またスタジアムに復帰したのもまた、川崎フロンターレ戦となりました。

スタジアムは当然ですが「外」だから雨が降ればずぶ濡れになります。
電動車椅子だと濡れすぎると壊れる可能性が高くなるので、天気や体調と相談しながらということにはなってしまいます。
多くのJリーグ開催スタジアムでは、車椅子利用者用の駐車場の設定があり、観戦チケットとは別に手配する事で「スタジアムの往復」のバリアをカバーしてくれています。

私は現在神奈川県在住ではない為、車で行くにしても遠い事、そもそも現在自動車を所有していないので、公共交通機関を利用して行く事になります。
その場合の利用しやすさなど、思った事を書いていきます。

最寄りの電車の駅事情

電車で等々力陸上競技場を目指す際、下車駅で利用出来ると公式サイトで案内されている駅のうち、車椅子ユーザーが利用しやすい駅は以下の通りです。

武蔵小杉駅 (JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン、東急東横線・目黒線)
新丸子駅 (東急東横線・目黒線)
武蔵中原駅 (JR南武線)
武蔵溝の口駅 (JR南武線、東急田園都市線・大井町線)

いやもうどういう事だよ!という位の充実ぶり。
駅だけなら東急田園都市線の高津駅やJR南武線の武蔵新城駅も充分範囲内なのですが、そこから先の移動方法が難しいのでここでは除きました。
上記の駅はいずれもエレベーター・多目的トイレ共に完備されているので、その辺も安心です。

最寄り駅からのバス事情

上記の駅からバスで等々力陸上競技場目指す時のバス便についてですが、試合開始の概ね2時間位前からと試合終了後に、武蔵小杉駅ー等々力陸上競技場間のシャトルバスが運行されています。
路線バスタイプで、スロープを使って乗り降りする事になります。
1台のバスに乗車できる車椅子は2台迄。
乗り場は武蔵小杉駅北口を背中にして左前方が乗り口になっており、そこから乗車の順番待ち列が出来ていて、その最後尾に一般利用の方と一緒に並びます。
順番待ち列の最前列から約20cmの段を下がってからバスに乗る事になるので、最前列からざっとみて30人位を目安に、バスの整理をしている社員さん(バス会社の制服を着て車道側に複数います)に「次のバスに乗りたい」旨を伝えて、段差のないロータリーのカーブが急な所から車道側に降りて良いか確認を取ると、スムーズに誘導して貰えます。

帰りのシャトルバスは降車した場所の広場の中程が乗車場所になります。
案内の人が沢山いますし、長い行列が出来ていますので、場所はすぐ分かると思います。
バスはピストン運行なので、思ったほどは待たないかなという印象です。

シャトルバス以外に路線バスでスタジアム最寄りのバス停を目指す方法もあります。
試合前は混み合うので、始発から乗らないと乗れない可能性があるため、確実な乗車場所として以下の場所が良いかなと思います。

武蔵小杉駅北口 1番・2番乗り場 市営等々力グランド前下車 乗車時間平常時約5分

武蔵中原駅 等々力アリーナ下車 乗車時間平常時約5分

武蔵溝の口駅 1番乗り場 市営等々力グラウンド前下車 乗車時間平常時約15分
       2番乗り場 等々力アリーナ下車 乗車時間平常時平均15分

最寄り駅から徒歩

好天なら散歩がてらスタジアム迄直接行くのもありだと思います。
各駅からスタジアム迄はほぼ平坦で、特に難所はありません。
武蔵小杉駅・新丸子駅とスタジアムの間は、江戸時代に整備された中原街道沿いにあたり、江戸を護る為に敢えてクランクを作った名残が残っていて、方向感覚が分からなくなりやすいです。マップを見たり、水色風味の人達が向かう方向に「行き」はついて行くとなんとなく着きます。
但し、帰りはこの手法は危険です。水色の行列について行くと、その人の家に着いて終了になります。
遠くに燦然と輝くタワマンの灯りを見つつ、周囲の水色の人達に聞きましょう。タワマンを目指すと武蔵小杉駅周辺には戻って来られます。

東急新丸子駅 徒歩15分
武蔵小杉駅 徒歩20分
JR南武線武蔵中原駅駅 徒歩15分

等々力競技場バリアフリー事情

場外バリアフリー事情

車椅子利用者やベビーカー利用者、ケガ等で階段の上り下りが難しい方の入場口として、メインスタンドにエレベーターが1台用意されています。
メインスタンドの真ん中、選手バスが停められている周りに柵が設けられていますが、その柵とBゲートの間に入口があります。

バックスタンド側は、10番ゲートが段差なく入場出来る入口です。

試合当日は「フロンパーク」という、無料で楽しめる祭りのようなイベントが毎回行われており、キッチンカーも沢山出ています。
こちらを楽しんでからバックスタンド側の10番ゲートから入場したい場合、注意が必要です。

先ず北周り(池のある方)は、10番ゲートの手前が階段になっているので行き止まりです。手前迄来てしまうと非常にガッカリするのでこっちに来てはダメです。

ではアウェイ側の南周りならどうかというと、こちらはスロープになっています。
が!とても急です。降りるなら上向きにして後ろに下がるようにして降りないと、滑り落ちて落車します。
私の電動は6度の傾斜迄は上がれる設計ですが、全く歯が立たず、楽勝でウイリーしました。
面倒でも一度神社がある通り迄出て、大回りするのが安全です。

メインスタンドのエレベーターを2階で降りると、バックスタンドへ出ることもできますが、メインスタンドとバックスタンドの出入口部分でチケットチェックがある場合があります(ノーチェックの場合もありますが、その時によって変わります)。
この出入口は7番ゲート付近の一ヶ所しかないので、席がバックスタンド南よりだとかなり遠回りです。

場内バリアフリー事情

等々力競技場の車椅子席は、メインスタンド3Fとバックスタンド1Fに設定されています。
メインスタンドはホームアウェイが割と緩やかに混じり合って、平和な感じです。
車椅子席も規模の割に潤沢な方だと思いますし、多目的トイレも各所にあります。
ベッド付きの多目的トイレは、メインスタンド3Fにあります。

アウェイ車椅子席は、メインスタンドの南寄りです。
バックスタンドの改修工事がこれから始まるので、今はまだバックスタンド側にアウェイ車椅子席の設定がありません。
希望すればアウェイ1Fゴール裏での観戦も可能な様ですが(要事前問合せ)、立ち見席なので多分何も見えないと思います。

メインスタンド車椅子席の上はガッツリ屋根がありますが、等々力競技場は風が良く抜ける構造になっているので、雨が降ると割と普通に濡れます(バックスタンド側も同じ)
雨天の時は合羽を用意した方が良いです。

川崎フロンターレ戦は、ベビーカー置き場もある程家族連れが多く、赤ちゃんからご高齢の方まで年齢層も幅広いし、車椅子での観戦者も多い印象です。
自動車で来る人も多いのだろうけれど、公共交通機関利用でもストレスなくたどり着けるところも、車椅子での観戦者が多い理由のひとつにはなっているんじゃないかなと思っています。

バックスタンドの改修が終わったらどれ位良くなるか、ワクワクしながら待ちたいですし、出来上がった等々力に来れたた良いなと節に願いつつ、日々頑張っていきたいと思います。

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