ああ、こうやってクレームは生まれるのだなと思った話【ヤマシタのおたより ＃14】

先日、身体のメンテナンスに行ってきました。

施術が終わり、着替えていると、隣のブースからこんな会話が聞こえてきました。

スタッフ「おうちで、お肌の保湿ってどんな感じでやってますか～？」

お客さん「えっと、顔は化粧水と乳液で、身体はボディクリームですね」

スタッフ「あ、そうなんですね！
あの、身体は、先に化粧水を塗った方がいいですよ～^^」

お客さん「え」

スタッフ「施術のあとは、すぐボディクリームを塗ってもあんまり意味がないんです～」

お客さん「え…」

スタッフ「むしろお肌に良くなかったりするので、化粧水を先に塗ってあげた方がいいですよ～」
（お客さんの「え」をガン無視するスタッフさん。おそらくどや顔。見てないけど）

お客さん「え…？私ここに1年以上通ってて、どなたもそんなこと仰らなかったんですけど…」

スタッフ「お肌の状態的に、先にボディクリームを塗っちゃうとあんまり保湿効果得られなくて、だめなんです。化粧水を塗ってからなら大丈夫ですよ★」

お客さん「どうして、いま…？一生懸命ボディクリーム塗って頑張ってたのに…」

スタッフ「ボディクリームを塗っちゃダメっていうわけではないんですけどね！化粧水からの方がいいですよ！」

お客さん「…あの、私1年以上通ってて。でも誰もそんなこと教えてくれなかったんですけど…」

スタッフ「ボディクリームだと、成分がお肌にふたをしちゃうので、水分が全然入っていかないんですよね～」

お客さん「あの、それって、最近分かったことなんですか？今まで言われたことないんですけど、そんなこと。」

スタッフ「最近ではないと思うんですけど…」

ーーーー

ここまで聞いたところで、自分の着替えが終わったため退室した私。

本当は最後まで聞きたかったけれども。

「山下さん着替えるの遅！！！！！！！！！！」
と思われるのが嫌なので、出てきました。

そして、思ったのです。
「ああ、こうしてクレームは生まれるのだな」と。

私は、会話の序盤で、思ってました。
「いやスタッフさん、そこは、”ごめんなさい”やろ。」と。

でも彼女は頑なに（？）謝りませんでした。

それどころか、お客さんの神経を逆なでするように「ボディクリームは後」の説明を続けていたのです。

なんでなん。

絶対、ごめんなさい言うべきやん。

…そこで気づきました。私。

スタッフさんは、別に、謝れない人でもないし、謝りたくない人でもないということに。

お客さん側に立てば、というか、恐らくほとんどの方が

「え」という短い相槌に対して、不穏な空気を感じると思います。

でも、お肌のお手入れ方法を伝えることに一生懸命だったスタッフさんは、それを見過ごしてしまったんです。

会話になっていないけど。
お客様のために有益な情報を！と必死だったのでしょう。

「え…？私ここに1年以上通ってて、どなたもそんなこと仰らなかったんですけど…」

お客さんの、この一言。私は

「誰も教えてくれなかったのなんで？どうして今更そんなこと言うの？」

と解釈しました。でも、まっすぐすぎるスタッフさんはきっと

「そんなこと誰も言ってないよ？あなた間違っているんじゃないの？」

と受け取ったのでしょう。

火に油を注ぐかの如く、謝らないまま、「化粧水が先説」を熱弁します。

それを聞いてさらに不信感とイラッを募らせたお客さん。

「どうして、いま…？一生懸命ボディクリーム塗って頑張ってたのに…」

これも、自分の「化粧水が先説」を疑われていると思っているスタッフさんは、「なんで今さら言うねん。もっと早よ言ってや」とは解釈できず。

「一生懸命ボディクリームを塗ったとて、さっきから言っているように化粧水が先なんですよ！」という気持ちが先行し。

「ボディクリームを塗っちゃダメっていうわけではないんですけどね！化粧水からの方がいいですよ！」

と返答する事態に。

このズレが埋まらないまま会話は進行していきました。
（間に入って通訳してあげたかった…）

これって、たぶん、どちらも悪くはないんですよね。

まあスタッフとお客さん（プロとお金を払っている立場）という関係性を見れば、スタッフさんに非があるのかなと思いますが。
お客さんの言葉を、汲み取れなさすぎです。

でも、スタッフさんが意地悪なのではなく、理解力の問題。

性格や人間性ではなく、能力面の問題だったのではないでしょうか。

まあ、私がお客さんだったら、施術後の受付で一言物申しますけどね。
だって気分害しちゃったから。（穏やかに優しくね★）

あのお客さんは、どうしたんだろう…

私が聞いていた限り、穏やかな声ではありましたが相当いら立っていました。

でも、あのスタッフさんは、全然気づいていないと思う…

お客さんが納得できる状況になっているといいけどな…

最初の一言、会話の意図を汲み取れないと、こうなるんですね。

以上、私がクレームが誕生する第一歩に立ち会った話でした。

日本語、難しいね！

完